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コンプライアンス違反の身近な事例から学ぶ個人レベルで注意すべきコンプライアンス遵守!

コンプライアンスに対する社会の注目が強まるなかで、人権意識、環境意識の高まりとともに「企業はいかにふるまうべきか」というコンプライアンスの内容も変化しつつあります。

企業と企業に属する個人は、この変化にキャッチアップし、コンプライアンス意識を更新し高めていかないと、知らず知らずのうちにコンプライアンスに違反して信用を失墜するリスクがあります。

この記事では、企業で働く者として個人レベルで注意すべきコンプライアンスを、身近な事例を通して解説します。

【参考】より深く知るための『オススメ』コラム

👉コンプライアンス違反の罰則とは 起こさないための対策と事例を詳しく解説

👉反社チェック(コンプライアンスチェック)を無料で行う方法

👉企業イメージをアップさせるコンプライアンス遵守を解説

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目次[非表示]

  1. 1.コンプライアンス遵守とは
    1. 1.1.コンプライアンス遵守するために必要な要素
      1. 1.1.1.明確な企業理念と社員の共感
      2. 1.1.2.社会通念の変化へのアップデート
  2. 2.個人レベルでコンプライアンス違反が起きる原因
    1. 2.1.不正のトライアングルとは
    2. 2.2.注意すべきコンプライアンス軽視
    3. 2.3.法律知識の欠如や法改正への未対応
  3. 3.個人レベルで起こりうるコンプライアンス違反の事案と予防策
    1. 3.1.情報管理で生じやすいコンプライアンス違反
    2. 3.2.マネジメントで生じやすいコンプライアンス違反
    3. 3.3.営業で生じやすいコンプライアンス違反
    4. 3.4.日常業務で生じやすいコンプライアンス違反
    5. 3.5.SNSでの不用意な発言
  4. 4.コンプライアンス遵守に必要な反社チェック・コンプライアンスチェックとは
  5. 5.まとめ

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コンプライアンス遵守とは

コンプライアンス遵守とは

コンプライアンス遵守とは「企業が守るべきことを守る」という意味です。

企業が守るべきこと(コンプライアンス)とは、「法律的、道徳的、社会通念的な正しいふるまい」です。

法律は一義的に定義されていますが、道徳や社会通念はあいまいな部分を含んでおり、時代によっても変化します。

しかし、あいまいだからといって世間から「企業にあるまじき行為だ」と非難されることをしてしまうと、「儲けているのかもしれないけど、あまりいい会社じゃないよね」というレッテルを貼られてしまいます。

したがって、企業がコンプライアンスを遵守するとは、人にたとえるなら「世間から後ろ指をさされないようにふるまうこと」です。
スッキリしない説明のようですが、それはコンプライアンス(企業が守るべき事柄)そのものの範囲の広さと複雑さに由来しています。

関連記事:コンプライアンス・リスクとは?リスク管理方法とフローを解説

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コンプライアンス遵守するために必要な要素

企業活動のあらゆる分野に関係し、すべてのステークホルダー(広い意味で企業と利害関係を持つ人々)の目を意識しなければならないのがコンプライアンスです。
その遵守のために欠かせないのは、明確な企業理念と法制度や社会通念へのアップデートです。

明確な企業理念と社員の共感

コンプライアンスへの目配り、気配りはあらゆる企業活動に及ぶので、その遵守のためには、すべてのパフォーマンスに1本の芯を通す「企業理念」が必要です。

どんな企業を目指すのかという「ビジョン」と、社会でどんな役割を果たす企業なのかという「ミッション」が明確に言語化されていて、そこに立ち返ってコンプライアンスを判断できることが肝要です。

また、そのビジョンやミッションは社員に押し付けられるのではなく、その意義が理解され共感されていなくてはなりません。

社会通念の変化へのアップデート

アップデートは法制度だけでなく、時代によって変化している人権意識(パワハラ、セクハラ、LGBTへの理解)、環境意識(SDGs)、情報リテラシー(SNSの利用法、デジタル化社会のリスクへの理解)に対しても必要です。

社会と企業、企業と従業員の正しい関係についての判断は、社会通念の変化とともに変化しつつあります。

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個人レベルでコンプライアンス違反が起きる原因

個人レベルでコンプライアンス違反が起きる原因

コンプライアンスに違反するリスクは、組織レベルでも個人レベルでもあります。
ここでは、個人レベルでコンプライアンス違反が起きる原因について解説します。

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不正のトライアングルとは

不正のトライアングルとは、人は不正を行う「動機」と「機会」があれば心理的に「正当化」してでも、不正行為をしてしまうものだという認識(人間理解)です。

「動機」とは、得をしたい、楽をしたい、苦しみから逃れたい、誉められたいなどの、誰にでもある人間的な欲望です。

「機会」とは、誰も見ていない、ばれそうもない、など不正行為の誘い水となる状況です。

「正当化」とは、誰でもやっていることだ、これくらいは大目に見られるだろう、後で返せばいいのだから、など罪の意識を消そうとする言い訳です。

たしかに、人が不正行為に手を染めるのは、このトライアングルが揃ったときでしょう。

しかし、動機(人間的欲望)をなくすることはできません。
機会も、大金を一人の管理下に置かないなどで減らすことはできますが、仕組みで100%カバーすることは不可能です。

不正のトライアングルが形作られるのを防ぐためにもっとも肝要なのは「正当化などできない」という規範意識で、まさにそれがコンプライアンス意識だと言えます。

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注意すべきコンプライアンス軽視

個人レベルでコンプライアンス違反が起きやすいシーンには、情報管理、マネジメント、営業などがあります。

それぞれについては次章で説明しますが、どのシーンにおいても違反の端緒となるのは「これくらいは大丈夫だろう」というコンプライアンスへの軽視です。

正当な目標へのチャレンジなら「やってみて、失敗して学ぶ」という姿勢もありですが、コンプライアンスに関してはNGです。
高をくくって不用意な行為をすると、自分自身や企業のイメージに回復不能なダメージを与えることがあります。

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法律知識の欠如や法改正への未対応

会社法は2021年3月に改正され、業務の適正化のための「内部統制」の体制づくりが義務化されました。

2022年4月には、食品表示法の新原料原産地表示制度が完全施行されました。

2010年から11年にかけて多くの都道府県が暴力団排除条例を定めて、企業が反社会的勢力と関係を持つことを禁止しました。
このように、企業のコンプライアンスに対する社会の目が厳しくなるのを反映して、法制度も変化しています。

企業にとってこの変化へのアップデートは必須です。
企業が組織として法改正に対応するのは当然ですが、社員一人ひとりも改正の内容と意味をよく理解しておく必要があります。

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個人レベルで起こりうるコンプライアンス違反の事案と予防策

個人レベルで起こりうるコンプライアンス違反の事案と予防策

企業で働く人が個人レベルで起こしてしまうリスクがあるコンプライアンス違反の事例と予防のために心得ておくべきことについて説明します。

情報管理で生じやすいコンプライアンス違反

2022年に、ある地方自治体から委託を受けた業者の社員が、市民約46万人の個人情報をUSBメモリーにコピーして持ち出し、同僚と飲食するうちに酔ってメモリーが入ったカバンを紛失したという事件が起きました。

幸いカバンは3日後に警察官が発見し、実害はなかったといいますが、この事案には少なくとも次のような複数のコンプライアンス違反が含まれています。

  • 委託会社の社員が無断で市役所のサーバーから個人情報をコピーし、かつ持ち出したこと
  • 重要な個人情報を携帯しているにもかかわらずカバンを紛失するほどに飲酒したこと
  • 実は委託会社の社員は、市役所に内緒で再々委託された下請け会社の社員だったこと

業務時間内に片づかなかった仕事を家に持ち帰るのは昔からあったことですが、情報がデジタル化されてUSBメモリなどに膨大な情報を格納できるようになった現代は、社外に情報を持ち出すリスクは桁違いに大きくなっています。

そのリスクを軽視して、昔と同じような意識で企業情報や顧客の個人情報をあつかっていると、重大なコンプライアンス違反を犯してしまう危険があります。

社外に持ち出さなかったとしても、メールの誤送信で情報が外部に漏洩することもあります。
これもケアレスミスでは済まないコンプライアンス違反となります。

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マネジメントで生じやすいコンプライアンス違反

企業組織にマネジメントは欠かせませんが、人間関係のあり方や人権意識が時代とともに変化していることを軽視すると、無意識のうちにコンプライアンス違反を犯してしまいます。

パワハラやセクハラ、LGBTなど性的マイノリティに対する差別の有無の判定は、OKとNGの境目が非常に微妙です。

同じことをしても(言っても)Aさんならセクハラと受け止められてBさんならそうは思われない、ということがよくあります。
ガイドラインやNGフレーズ集などを作って管理職に注意を促すことも大切ですが、効果は限定的です。

いったん問題になってしまうと「そんなつもりはなかった」は通用しません。
しかし、パワハラやセクハラの非難を恐れてマネジメントが委縮してしまうのは、誰のためにもなりません。

お互いの人格を尊重し、職場の心理的な安全性を高める中でリスクを減らしていくことが大切です。
「職場の心理的な安全性」とは、職場で同僚や上司に何か言われるとしても(あるいは自分が何か言うにしても)、それは個人的(人格的)な揶揄や非難・攻撃ではなく、生産的な仕事をするための言葉だということを全員が理解しているのが心理的安全性です。

関連記事:コンプライアンス違反とは?事例や法令遵守のための取り組みを解説

  コンプライアンス違反とは?事例や法令遵守のための取り組みを解説 近年増加している企業のコンプライアンス違反。 一度違反してしまうとこれまで積み重ねてきた企業の実績や価値、信頼感を一気に失い、経営破綻まで追い込まれてしまうケースも。 このようなリスクを負わないためにも、コンプライアンスについてしっかりと理解して対策を行う必要があります。 今回は、コンプライアンス違反のリスクや実際に起こった事例を中心に解説。 最後にコンプライアンス遵守に必要な反社チェック・コンプライアンスチェックについて触れていきます。 企業のコンプライアンス違反を未然に防いで、健全な企業経営を目指していきましょう。 RISK EYES


営業で生じやすいコンプライアンス違反

企業の業績を左右する厳しい競争のなかで展開される営業シーンでは、組織レベルでも個人レベルでもさまざまなコンプライアンス違反のリスクや誘惑があります。

しかし「目的のためには手段を問わない」のではなく、どんなに重要な目的であっても手段を問うのがコンプライアンス意識です。
組織風土においても、個人レベルでも、常に手段の正当性を問い返してみる姿勢が大切です。

公務員への贈賄はもちろん、民間同士でも不適切な接待はコンプライアンス違反とみなされることがあります。
また、接待費として使途の自由なお金を任されると先述した不正のトライアングルにはまるリスクも大きくなります。

関連記事:コンプライアンス教育の重要性と実施方法を解説

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日常業務で生じやすいコンプライアンス違反

日常の業務の中にも発生しやすいコンプライアンス違反があります。

会社の備品(茶器など)や消耗品(文房具やトイレットペーパーなど)を持ち帰って自宅で使うなども、重大とは言えないまでも、あからかなコンプライアンス違反です。

軽微なコンプライアンス軽視が重なるとコンプライアンス意識が知らず知らずに低下して、やがて大きな問題を起こしてしまうリスクが高まります。

交通費や出張費の水増しなども、日常的にあるコンプライアンス・リスクです。

また、会社のホームページなどを作る際は、インターネット上の文章や画像の著作権侵害にも注意する必要があります。

関連記事:コンプライアンス研修の目的と内容 テーマ別事例や実施方法を解説

  コンプライアンス研修の目的と内容 テーマ別事例や実施方法を解説 近年、法律・法令違反などの不祥事による企業イメージの低下や経営破綻のケースが増えてきており、「コンプライアンス」を遵守することの重要性が高まっています。しかし、企業が法律・法令を遵守していたとしても、従業員個人がパワハラなどで社員を精神的に追い込んでしまったり、内部情報を流出させることまでは防ぐことができません。 そのため、企業だけではなく、従業員1人1人にコンプライアンスの重要性を定着させるために「コンプライアンス研修」を行う企業が増加しています。 コンプライアンス研修にはさまざまな種類やテーマがあり、事業内容や社内状況に合った適切な方法を選ぶことが大切です。そこで今回は、コンプライアンス研修の目的、研修内容・方法について解説していきます。 RISK EYES


SNSでの不用意な発言

SNSへの投稿では、個人の立場でしているという気のゆるみから、他人の人格を否定したり名誉を傷つけたりする不用意な発言をしてしまうことがあります。

そのような発言は、個人としても罰せられる可能性があるし、どこそこの社員があんなことを言っているという形で会社に風評被害を与えることもあります。

政治家の失言が問題になるのは、支援者の集会など身内、仲間内の発言がほとんどです。
一般の会社員でもSNSの拡散力を甘く見ることはできません。

たとえ仲間内のやりとりであっても、企業の看板を背負っていることを忘れずに節度のある発言をしたいものです。

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コンプライアンス遵守に必要な反社チェック・コンプライアンスチェックとは

コンプライアンス遵守に必要な反社チェック・コンプライアンスチェックとは

「反社チェック・コンプライアンスチェック」とは、取引先や社員に反社会的勢力とかかわりを持つ人物がいないかをチェックすることです。

企業には「暴力団排除条例」によって反社会的勢力とのかかわりを排除する努力義務が課せられており、これに違反することは重大なコンプライアンス違反となります。
上場企業の場合は上場廃止になる可能性もあります。

このようなコンプライアンス・リスクを避けるためには、社員を採用する際や新たな取引先と契約する際には「反社チェック・コンプライアンスチェック」が必要です。

チェック方法には、自社で新聞記事のデータやインターネット上の情報を検索する方法や、独自に収集した反社会的勢力情報データベースを提供するサービスを利用する方法があります。

関連記事:反社チェックを無料で行う方法 ツール利用についても解説

  反社チェックを無料で行う方法 ツール利用についても解説 コンプライアンス意識が高まる昨今、企業にはコーポレートガバナンスの強化が求められています。 なかでも頭を悩ませるのが反社チェックです。自社の社員や取引先が反社会的勢力と関連がないかどうか確認することで、コンプライアンスチェックとも呼ばれます。 そこで本記事では、反社チェック・コンプライアンスチェックを無料で行う方法を紹介します。初めに反社チェックの必要性などについて紹介しますので、不要な方は目次より「反社チェックを無料で行う方法」(※左記リンク貼れたら貼ってください)へお進みください。 RISK EYES


まとめ

コンプライアンスの遵守は企業が組織をあげて取り組まなければならない重要なテーマですが、その実現のためには社員の一人ひとりが「自分が犯してしまうかもしれないリスク」についてよく認識し、日ごろの活動において慎重にそのリスクを避ける必要があります。

関連記事:コンプライアンスチェックシートの必要性とは?チェックすべき項目を解説
関連記事:コンプライアンスマニュアルの作成方法 手順や作成例も解説

  コンプライアンスチェックシートの必要性とは?チェックすべき項目を解説 昨今企業におけるコンプライアンスの重要性が高まっていることで、コンプライアンスの策定やコンプライアンスに対する意識改革が必要とされています。 そのような内部統制の改善にはコンプライアンスチェックシートなどを活用することで、より迅速で効果的な対策が可能です。 今回は、コンプライアンスチェックシートの必要性や記載するべき項目について解説していきます。 RISK EYES
  コンプライアンスマニュアルの作成方法 手順や作成例も解説 市民の環境意識や人権意識が高まるにつれて、企業のコンプライアンスに対する監視の目が厳しくなり、かつ多様化しています。 また、SNSの発達によって、コンプライアンス違反をした企業の痛手は、従来よりもはるかに大きくなりました。 このようなコンプライアンス・リスクに対処するために、コンプライアンスマニュアルを作成する企業が増えています。 企業のトップからその準備作業をするように命じられて、何から手を付けていいのかと悩んでいる人もいるでしょう。 この記事では、初めてコンプライアンスマニュアルを作成する際に知っておくべき作成方法や手順を、実例を交えて解説します。 RISK EYES


RISK EYES編集部
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反社チェックツール「RISK EYES」のブログ編集部です。反社関連の情報だけでなく、与信やコンプライアンス全般、IPO準備などについても執筆しています。
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