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コンプライアンス違反の処分とは?企業・社員への処分の内容と対策方法を紹介

近年、様々な企業がニュースに取り上げられることの多いコンプライアンス違反ですが、企業や従業員によるコンプライアンス違反は、企業の信用・イメージの失墜だけでなく、損害賠償の請求や行政処分が下された結果、企業の存続が困難になる恐れもあります。

この記事では、コンプライアンス違反が発覚した際の企業・社員への処分の内容、またコンプライアンス違反を起こさないための対策方法も紹介します。

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目次[非表示]

  1. 1.コンプライアンスとは
  2. 2.コンプライアンス違反の身近な例
    1. 2.1.悪ふざけ写真をSNSに投稿し店舗が閉店
    2. 2.2.上司のハラスメントでうつ病に
    3. 2.3.雇用調整助成金の不正受給
    4. 2.4.SNS上のイラストを無断使用
    5. 2.5.PCに差したUSBメモリを離席中に紛失
  3. 3.コンプライアンス違反した企業への処分
    1. 3.1.行政処分
    2. 3.2.刑事処分
  4. 4.コンプライアンス違反した社員への処分
    1. 4.1.懲戒解雇
    2. 4.2.諭旨解雇(ゆしかいこ)
    3. 4.3.出勤停止
    4. 4.4.降格
    5. 4.5.減給
    6. 4.6.譴責(けんせき)
  5. 5.コンプライアンス違反・再発を防ぐための対策
    1. 5.1.第三者によるチェック・監視体制を強化
    2. 5.2.従業員へのコンプライアンス研修を実施する
    3. 5.3.危機管理マニュアルを整備する
    4. 5.4.内部の相談窓口・通報窓口をつくる
  6. 6.コンプライアンス違反を防ぐために有効な反社チェック(コンプライアンスチェック)
  7. 7.まとめ

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コンプライアンスとは

コンプライアンスとは

コンプライアンスは日本語で「法令遵守」と訳され、法令をはじめとした社会規範を遵守することです。

企業に求められるコンプライアンスは、単に法令を遵守することだけでなく、倫理観や公序良俗などの社会的な規範に従って、公正・公平で透明性のある経営を行うことであり、近年ではコンプライアンスの重要性がより強調されるようになっています。

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コンプライアンス違反の身近な例

コンプライアンス違反の身近な例

コンプライアンス違反は近年ニュースなどで取り上げられることも多く、耳にしたことがある方も多いでしょう。
コンプライアンス違反の事例は企業の代表者が逮捕や有罪判決に至る大きな事例から、アルバイトによる小さな事例など無数にありますが、身の回りでも起こりうる身近な例を5つ紹介します。

悪ふざけ写真をSNSに投稿し店舗が閉店

アルバイトの従業員が、店舗の設備などを使って悪ふざけしている写真や動画をSNSに投稿し、一気に拡散した事例です。
アルバイト従業員だけでなく企業に対しても非難が殺到し、最終的に店舗が閉店に至ったケースも発生しています。

上司のハラスメントでうつ病に

コンプライアンスと一緒に耳にすることが多いのがハラスメントです。
大声での恫喝やいじめ、体罰などのパワーハラスメント以外にも、セクシュアルハラスメントやマタニティハラスメントなども問題になっています。

上司によるハラスメントが原因でうつ病になり、損害賠償を請求されるケースもありました。

雇用調整助成金の不正受給

雇用調整助成金とは、従業員が新型コロナウイルスに感染して会社を休んだ場合で、給料を支払った際に企業に支給されるものです。

しかし、実際には感染者がいない、もしくは感染して休業中に給料を支払っていないにも関わらず虚偽の申請を行い、不正に金銭を取得したという不正受給のケースです。
企業の信用問題に関わるコンプライアンス違反と言えます。

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SNS上のイラストを無断使用

大手小売り会社のデザイナーが、SNS上に投稿されたイラストを無断使用したとうコンプライアンス違反の事例です。
この事例では、元のイラストに少しアレンジを加えたデザインでも著作権法違反と判断されました。

PCに差したUSBメモリを離席中に紛失

業務用のPC端末にUSBメモリを刺したまま離席し、離席中にそのUSBを紛失してしまった事例です。
顧客の個人情報や社外秘情報などが流出した場合、企業の信用面で大きなダメージになります。

カフェやコワーキングスペースなど公共の場でのテレワークが活性化し、デバイスなどを持ち歩くことが増えていることから、リスクが上昇していると言われています。

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コンプライアンス違反した企業への処分

コンプライアンス違反した企業への処分

コンプライアンスの違反があった場合、様々な処分が下される可能性があります。
違反の内容によって処分は異なりますが、コンプライアンス違反をした企業への処分は主に以下の2つです。

  • 行政処分
  • 刑事処分

それぞれについて解説していきます。

行政処分

行政処分は、国や地方自治体などの行政から下される処分で、改善命令や措置命令、業務停止命令、許認可取り消し命令などがあります。

情状が重い場合の処分によっては、事業の運営が不可能になる恐れもある他、最悪の場合、企業の倒産に至るリスクもあります。

刑事処分

重大なコンプライアンス違反が発覚したときは、行政処分だけでなく、国の司法機関から刑事責任が問われ、刑事処分を受ける可能性があります。

例えば、粉飾決済や脱税などの税法違反の場合、課徴金(重加算税)などの処分を受けるだけでなく、刑事罰が科されることがあります。
また、役員や従業員が不正を行っていた場合、自由刑(懲役刑・禁固刑)または財産刑(罰金・過料・財産没収など)の判決が下されます。

そして企業名などが報道されると、企業の信用は失墜することになります。
このような成り行きで、コンプライアンス違反によって倒産している企業がいくつも存在します。

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コンプライアンス違反した社員への処分

コンプライアンス違反した企業への処分

続いては、コンプライアンス違反をした社員への処分について解説していきます。
違反の内容によって、以下の6つの処分に分類されます。

  • 懲戒解雇
  • 諭旨解雇
  • 出勤停止
  • 降格
  • 減給
  • 譴責 

悪質なケースの場合、刑事処分が下される可能性がありますが、基本的にはそれぞれの企業が定めている就業規則や社内規定に従って、罰則が科せられることになります。

また、就業規則が法的に有効でも、「懲戒規定」がない場合は社員に懲戒処分を下すことができません。
あらかじめ運用している就業規則の中に、懲戒規定を定めておきましょう。

懲戒処分の内容についてそれぞれ解説していきます。

懲戒解雇

懲戒処分の中で最も重い処分で、企業側が一方的、強制的に雇用契約を解消することです。
即日解雇できるうえに退職金の支払いもないため、懲戒解雇を行う際は相当の理由が必要です。

また、原因となった問題の証拠を集めることや、社員に弁明の機会を与えることが必要になります。

諭旨解雇(ゆしかいこ)

従業員に対して退職を促す懲戒処分で、従わない場合は懲戒解雇になることが多いです。
自ら退職届を提出した場合は「退職」扱いとなり、退職金を支給することもできます。

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出勤停止

従業員に対して一定期間出勤を禁止し、その間は給料を支給しない処分で、出勤停止期間中に有給休暇を利用することはできません。

具体的な停止期間は法律上定めがなく企業の就業規則に委ねられていますが、1週間~15日が一般的です。

降格

役職や職位を下げる処分で、その後の役職手当を不支給・減額とします。
管理者の役職を引き下げるだけでなく、社員の職能資格や給与等級の引き下げも、この処分の一部です。

減給

賃金を減額する処分で、本来支給している金額から一定期間一部が差し引かれます。
ただし、減給額は1回につき、1日当たりの平均賃金の半額以下、かつ月給の10分の1以下に限られます(労働基準法第91条)。

譴責(けんせき)

コンプライアンス違反に対しての始末書の提出を求める処分です。
もしこれを拒否した場合、「人事考課に影響を与える」などの規定を設けることもあります。

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コンプライアンス違反・再発を防ぐための対策

コンプライアンス違反・再発を防ぐための対策

前述のとおり、コンプライアンス違反が発生した際は処分が下されることがあり、企業にとってのリスクは計り知れません。

そもそも違反が発生しないため、また、もし違反が発覚した場合は再発を防ぐための対策法を4つ紹介します。

第三者によるチェック・監視体制を強化

役員や経営陣、社員による不正を防ぐためには、第三者による監視体制を強化することが有効です。
内部監査だけでなく、客観的に評価し、監視できる専門人材による監視体制を作ることが効果的です。

外部の監査が入ることで、社内では見つけられなかった不透明なルールや業務プロセスなども発見しやすくなるでしょう。
社外監査役や社外取締役、報酬委員会などを設置することを推奨します。

従業員へのコンプライアンス研修を実施する

コンプライアンスのルールを理解し、意識を浸透させるためには、従業員に対してコンプライアンス研修を行うことが重要です。

業務上必要な法律の知識や、職務上の能力、責任の範囲は社員それぞれで異なるため、効果のあるコンプライアンス研修を行うためには、若手や新人、管理職、経営幹部など組織内の役割に応じて実施することが有効でしょう。

弁護士などの外部講師に依頼し、定期的にコンプライアンス研修を実施することを推奨します。

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危機管理マニュアルを整備する

万が一コンプライアンス違反が発生した際に迅速で適切な対応ができるよう、事前対策として、危機管理マニュアルを整備しておくことが大切です。
危機管理マニュアルで定める項目として、以下の例が挙げられます。

  • 対応の責任者
  • 対応の役割分担
  • 対応の手順
  • 報告や連絡方法
  • 相談する外部の弁護士
  • 懲戒処分を検討する手順、考慮要素
  • 再発防止に関する検討の手順

内部の相談窓口・通報窓口をつくる

社内のチェック・監視体制を強化することも大切ですが、内部の相談・通報窓口を設置することもコンプライアンスの向上において有効です。

既に窓口が設置されている場合は、改めてその存在や利用方法を周知し、風通しのよい職場環境を構築することが重要になります。
内部通報窓口を新たに設置する場合は、公益通報者保護法に基づいて進めるのが良いでしょう。

参考:厚生労働省「公益通報者の保護」

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コンプライアンス違反を防ぐために有効な反社チェック(コンプライアンスチェック)

コンプライアンス違反を防ぐために有効なコンプライアンスチェック(反社チェック)

反社チェックとは、取引先や自社の社員に反社会的勢力と関わりを持つ人物がいないかをチェックすることです。

各都道府県から施行されている「暴力団排除条例」により、企業には反社会的勢力との関わりを排除する努力義務が課せられており、これに違反することは重大なコンプライアンス違反になります。
また、上場企業の場合は上場廃止になる恐れもあります。

このようなコンプライアンスリスクを避けるため、人事採用の際や、新たな取引先と契約するときには反社チェックが必要です。

チェック方法は、自社でインターネットや新聞記事を検索する方法から、外部の調査機関に依頼する方法、反社チェックツールを導入して自動でチェックを行う方法などいくつかあります。

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まとめ

思っているよりも身近に起こりうる可能性があるのがコンプライアンス違反です。
また、コンプライアンス違反が発覚した場合、企業の存続が困難に至るような処分を受ける恐れもあります。

様々なリスクを回避するためにも、コンプライアンスを遵守するための対策を事前に講じることが必要と言えるでしょう。 

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佐々木 雄輝
佐々木 雄輝
2022年にソーシャルワイヤー株式会社に入社。 反社チェックサービス『RISK EYES』のマーケティング施策の企画立案を担当。
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