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BtoB企業が知っておくべき与信管理の重要性と効果的な方法

信用取引(掛売取引)がほとんどのBtoB企業では、新規あるいは既存の取引先に対する与信管理が自社の企業の命運を左右することがあります。

取引の可否や取引額の限度の判断を誤ると自社の存続が危うくなるだけではなく、リスクを過大に見積もったために売上の拡大や企業成長のチャンスを見送ってしまうこともあるのです。

この記事では、BtoB企業にとっての与信管理がなぜ重要なのか、どのような与信管理が有効なのかをわかりやすく解説します。
ぜひ参考にしてください。

【参考】より深く知るための『オススメ』コラム

👉与信調査(与信チェック)とは?手続きや必要性、失敗しない方法を解説

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目次[非表示]

  1. 1.与信管理とは
    1. 1.1.与信管理の目的
    2. 1.2.与信管理のプロセス
      1. 1.2.1.与信調査(信用調査)
      2. 1.2.2.与信限度の設定
  2. 2.与信管理の重要性
    1. 2.1.与信管理の意義
    2. 2.2.与信管理のメリット
  3. 3.与信管理の具体的な手法
    1. 3.1.与信調査の方法
      1. 3.1.1.社内調査
      2. 3.1.2.直接調査
      3. 3.1.3.依頼調査
    2. 3.2.与信限度額の設定方法
      1. 3.2.1.定性分析
      2. 3.2.2.定量分析
    3. 3.3.与信金回収の手法
  4. 4.与信管理における課題と解決策
    1. 4.1.与信リスクの管理方法
    2. 4.2.与信管理における問題点と解決策
  5. 5.与信管理の効果的な導入方法
    1. 5.1.与信管理の導入にあたってのポイント
    2. 5.2.与信管理を効果的に導入するためのステップ
  6. 6.まとめ

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与信管理とは

与信管理とは

与信管理とは、信用取引(掛売り)をする際に、取引先の支払い能力を調査して代金が回収不能にならないように管理することです。

企業間の取引で慣例となっている掛売りは、商品やサービスの納品から代金の回収までに一定の期間があるので、つねに回収不能のリスクをかかえています。
このリスクを最小にして企業の存続をはかるために欠かせないのが与信管理です。

取引先ごとに、どの程度の数量・金額まで信用取引が可能かを、さまざまな情報に基づいて管理します。

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与信管理の目的

与信管理の目的は、売掛債権の焦げつき(未回収)が発生するのを防ぐことです。
しかし、たんに売掛金の増大を抑制するのが目的ではありません。

売掛金の増大は企業が成長している証でもあるので、与信管理の目的は売掛金を抑制することではなく、どの取引先にどの程度まで売掛をしてもよいかを定性的、定量的に把握することです。

与信管理のプロセス

与信管理は与信調査(信用調査)→与信限度の設定というプロセスで実施します。

与信調査(信用調査)

取引先(候補)の経営状態や経営姿勢、資産などを調査・分析して評価します。

与信限度の設定

信用調査の結果に基づいて取引の可否や、どの程度までなら売掛が可能かの金額を設定します。

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与信管理の重要性

与信管理の重要性

与信管理の重要性は、販売は順調なのに利益が上がらずに黒字倒産するという事態を回避できることです。
その重要性を示す典型的なケースは、初めての取引先から大量の注文を受けたときです。売上拡大の大きなチャンスですが、同時に大きなリスクも発生しています。

与信管理をおろそかにすると、販売先を間違えさえしなければ発展したはずの事業が頓挫するという、悔やんでも悔やみきれない結果を招くことになります。

与信管理の意義

事業が発展、拡大する局面では必ず売掛債権が増大します。
それはむしろ望ましいことなのですが、適切な与信管理なしに売掛債権が増大するのはリスクの増大を意味します。

大きな与信限度を設定した取引先が支払い不能におちいる(倒産する)と資金繰りが厳しくなり、最悪の場合は連鎖倒産となります。

与信管理の意義は、信用取引のリスクを最小にして企業利益を確保・拡大し、企業の持続的な発展を図ることです。

与信管理のメリット

与信管理のメリットは、帳面上の売上は上がっているが利益がないという事態、つまり販売したが代金は回収できないという事態を回避できることです。

売掛金の発生から回収までの期間に資金繰りが悪化すると、最悪の場合は「黒字倒産」ということになります。

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与信管理の具体的な手法

与信管理の具体的な手法

与信管理は「与信調査(信用調査)」と「与信限度額の設定」というプロセスで実施します。

与信調査の方法

与信調査の方法は、大きく分けると次の4つがあります。

  • 社内調査
  • 直接調査
  • 外部調査
  • 依頼調査

それぞれの具体的な手法を見ていきましょう。

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社内調査

自社の社員からの情報収集です。営業部はさまざまな取引先との会話で、調査対象企業の業界内での評判やうわさなどを聞いている可能性があります。経理部も金融機関との会話などでなにか情報をつかんでいるかもしれません。

過去に取引のあった会社なら、当時の担当者に話を聞くとともに、社内に残されている取引資料を調べます。

直接調査

調査対象に直接接触して情報を取る方法です。打ち合わせなどで相手企業を訪問した際の、オフィスの雰囲気、従業員の態度、代表者や担当者との会話の印象などから、経営姿勢や企業文化、活力などをうかがい知ることが可能です。

外部調査

インターネットの公開情報や、法務局で取得する商業登記簿謄本や不動産登記簿謄本などを調べる方法です。
対象企業の公式ホームページからは、事業内容や従業員数、売上高などの基本情報が分かるほか、企業理念や会社の歴史、役員の顔ぶれなど多くの情報を得ることができます。


また、企業名や代表者名でネット検索すると、評判や口コミを含むさまざま記事がヒットします。
ホームページに記載された内容が商業登記簿や不動産登記簿の内容と一致するかどうかを確認するのも重要です。

商業登記簿謄本は「履歴事項全部証明書」ともいい、現在の会社の情報だけでなく、過去3年間に抹消・変更された事実の履歴も記載されています。商号や所在地が頻繁に変更されているような場合は要注意です。

依頼調査

信用調査会社に依頼する方法です。
代表的な調査会社である帝国データバンクや東京商工リサーチは、調査担当スタッフが調査対象企業を訪問取材して得た情報に自社のデータベースの情報などを加味して調査報告書を作成します。

調査会社が調査する項目は、主に次の3つです。

  1. 会社の基礎情報(所在地、沿革、事業内容、従業員数、株主など)
  2. 取引先に関する事項(仕入先、販売先、取引形態、取引銀行など)
  3. 業績・資金繰り(売上、利益、借入金推移など)

信用調査会社は取材の際に、どこの依頼で調査するかは明かしません。
調査される会社が取材に応じるかどうかは任意ですが、自社の成長のチャンスでもあるので多くの場合は質問に答えます。

与信限度額の設定方法

与信限度額を設定する要件には、定性的要件と定量的要件があります。
定性的要件とは「数字には表れない取引先の企業体質の把握」です。

定量的要件とは「自社の体力の把握」と「取引先の体力の見極め」です。
2つの分析方法について解説します。

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定性分析

与信額を設定するには、数字には表れない定性的な企業評価も必要です。
極端な例では「過去に反社会勢力との関係が取りざたされていたことが判明したので、現在の業績は良さそうだが取引は控える」ということもあり得ます。

取引先の定性的な分析では、次のような項目に注目します。

  • 会社の沿革や主要株主
  • 代表者と役員の履歴
  • 企業理念
  • 技術力、取扱商品の将来性
  • リクルート関連情報、離職率
  • 企業の評判

定量分析

「自社の体力」の把握では、自社が継続して提供できる商品・サービスの量と金額の範囲内に与信限度額を設定する必要があります。
これは、与信の総枠の設定です。

総枠が設定できたら「取引先の体力」を見極めて、複数の取引先の中でのランクを決め、与信限度額を設定します。

自社や取引先の「体力」とは、会計学の用語にすると「資産」です。
資産には次の3つがあります。

  • 流動資産(預金、売掛金、商品材料など)
  • 固定資産(土地、建物、有価証券など)
  • 繰延資産(創立費、開業費など)

売掛金も一定期日後に現金になる資産です。
複数の取引先に多くの売掛金があるのは、すべてが回収不能になることは考えられないので、企業の「体力」を示すものです。

この記事のテーマである与信管理は、特定の一社の売掛金が突出すると「体力」が「リスク」にもなるという問題に対する管理です。

具体的な与信限度額の設定には多くの要素が勘案されるので、簡単な公式があるわけではありませんが、一応の目安といわれているのは下記のような基準です。

  • 与信限度額=自社の売掛債権×一定割合×取引先の格付けウェイト
  • 与信限度額=取引先の純資産×一定割合×格付けウェイト
  • 与信限度額=取引先の仕入債務×一定割合×格付けウェイト

与信金回収の手法

かつて企業間の決済の主流だった手形決済はピーク時の3パーセントほどにも低下しており、経産省は2026年をめどに約束手形の利用廃止を求める方針です。

手形決済では金融機関などでの手形割引が、支払期日前に債権を回収(現金化)する手段でしたが、それに代わるものがファクタリングです。

ファクタリングには、ファクタリング業者と利用者の2社間で契約する2社間ファクタリングと、取引先の了承を得てファクタリングする3社間ファクタリングがあります。

ファクタリングの手数料の相場は、2社間の場合が10〜20%、3社間では1〜10%程度です。

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与信管理における課題と解決策

与信管理における課題と解決策

与信管理におけるよくある課題は、管理の基準や規定があいまいなままに管理が属人化して、責任の所在が明確でないことです。

与信リスクの管理方法

与信管理では「誰が管理するか」を決める必要があります。
最終判断は代表者がするにしても、例えば営業部と経理部から2名ずつが参加してチーム(与信管理委員会)を組むなど、与信管理を行う主体を明らかにしておかなければなりません。

また、与信限度額の設定は1度行えばそれで済むものではないので、どのようなスパンやタイミングで与信を見直すのかも決めておく必要があります。

与信管理における問題点と解決策

与信管理のよくある問題点には次のようなものがあります。

  1. 与信管理の体制が整っておらず、判断が属人化している
  2. 取引先数が多く、すべてを管理できていない
  3. 与信先の信用情報変化にキャッチアップできていない
  4. 与信先の決算情報を入手できない

これらの課題を解決するには、上述したようにリソースを割いて管理者(専任ではなくても)を設置する必要があります。

その上で管理者は、定性的・定量的与信調査のスキルを磨くとともに、データを蓄積・整理していくことが大切です。
与信限度額の設定では、自社の経営状況を勘案しながら基本案を作成し、代表者や役員と協議して最終決定します。

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与信管理の効果的な導入方法

与信管理の効果的な導入方法

最近は、営業管理や顧客管理にデータを一元管理できるサブスク型のクラウドサービスを利用する企業が増えています。

与信管理においてもこのようなシステムが登場しており、取引先が多い業種・業態では導入する企業が増えています。

あまり多くのリソースを与信管理にかけることができない、より効率的に与信管理を行いたい場合は、与信管理のシステムツールを導入するのも選択肢の1つです。

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与信管理の導入にあたってのポイント

与信管理システムの導入のポイントは、①自社の与信管理に必要な機能が備わっているか、②担当者が使いこなせるシステムか、③他のビジネスツールとの連携が可能か、④導入や運営のコストは妥当か、などです。

与信管理システムの機能には、次のようなものがあります。

  • 取引先情報の蓄積・一元管理
  • 取引先情報の自動収集
  • 取引先の格付け
  • 取引先情報の変化のモニタリング、アラート
  • 反社チェックなどのデータベースの提供
  • 与信限度額算出

このような機能を実装する目的は、①自動化できるものは自動化する、②データを見える化して判断をサポートする、③与信判断を支援するデータを提供するなどで、与信業務を効率化・高精度化することです。

ただし、どのような機能が揃っても判断そのものを自動化することはできません。
管理者・運用者は導入にあたっては、自社の経営戦略に基づいた与信管理をサポートするツールとしてどのような機能が必要かをよく検討する必要があります。

与信管理を効果的に導入するためのステップ

与信管理ツールを効果的に導入するには、自社の与信管理における課題を洗い出して、そのソリューションとなるシステムかどうかを確認することが第一歩です。

その上で、宝の持ち腐れにならない使いこなせるツールかどうか、十分な費用対効果が見込めるかを確認します。

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まとめ

ここまで与信管理について解説してきました。
与信管理は、取引先の与信調査に基づいて与信限度額を設定する業務です。

与信調査と与信限度額の設定のプロセスで実施されますが、結局は自社のリスクをどれだけ減らすことができるかに焦点を当てることが大事です。
存続のリスクを最小にするとともに、発展の機会を逃さない巧みなバランスを意識しましょう。

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佐々木 雄輝
佐々木 雄輝
2022年にソーシャルワイヤー株式会社に入社。 反社チェックサービス『RISK EYES』のマーケティング施策の企画立案を担当。
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