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事例でみる反社 企業リスクを回避するには

反社チェック・コンプライアンスチェックはどんな業種・規模でも行うべきです。
反社会的勢力との関わりが露見してしまうと、信用が失墜し、金融機関からは融資が止められてしまい、最終的には倒産に繋がってしまう恐れがあります。


「うちは大丈夫」は通用しないほど、反社会的勢力は巧妙に入り込んでくるので、少しでもリスクを排除するために事前の対策を行うことが大事です。


これまで反社会的勢力との付き合いがあると大変になると述べてきましたが、実際に発覚するとどうなるか、事例を元に解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.【事例1】社長が反社会的勢力と食事して倒産
    1. 1.1.A社の倒産までの経緯
    2. 1.2.どうすれば倒産を防ぐことができたのか?
  2. 2.【事例2】反社会的勢力とのつながり疑惑で上場廃止
    1. 2.1.B社の上場廃止までの経緯
    2. 2.2.どうすれば上場廃止を免れたのか?
  3. 3.【事例3】横領金のグレーな行先で株価が大幅下落
    1. 3.1.役員が資金を横領。さらにはその資金が反社へ?
    2. 3.2.どうすれば大幅下落を防げたのか?
  4. 4.反社会的勢力と関わると損失は甚大 事前チェックは必要不可欠
  5. 5.まとめ


【事例1】社長が反社会的勢力と食事して倒産

お酌イメージ


2021年5月、管工事や電気工事を手掛けるA社が自己破産申請をしました。
地元では大手の整備工事業者でしたが、負債総額は30億円が見込まれているとのことです。


近年では毎期50億円ほどの売上高を計上するなど安定した業績だったA社になにがあったのでしょうか?

A社の倒産までの経緯


2021年2月、ある暴力団組長を含む3名が風営法違反容疑で逮捕されました。
その約1か月後である3月にA社社長は警察に呼び出され、2月に逮捕された組長との関係を聞かれました。


A社社長は「定期的に食事をするメンバーの1人だったが反社会的勢力だとは知らなかった」と後の配布文書で明かしています。
しかし、警察からの取り調べの厳しさに「知っていた」と答えてしまったと周囲に漏らしていたようです。


さらに約1か月後の4月に警察から呼び出され、「密接交際者」にあたると告知される事態に。
A社は排除措置の対象となるので国や県などに排除通報することを告げられました。


排除措置を受けたA社は公共工事受注が厳しくなるだけでなく、民間業者からも信用を失ってしまいます。
A社社長は弁護士などを通じて排除措置回避への道を探りましたが、警察からの排除措置公表は通告から約1週間後と思いのほか早かったようです。


公表後、A社社長は取引先への謝罪と金融機関へのお願い回りに奮闘しましたが、銀行口座が凍結されたこともあり、警察からの排除措置公表からわずか2週間ほどでA社は倒産してしまいました。


現在、A社社長は反社会的勢力との密接交際者認定は不当であったとして、県と市を提訴しています。


証拠の開示もなく進められたことに元社長は納得がいっていないとのことですが、もし決定の取り消しや損害賠償が認められたときには密接交際者と認定する基準をさらに明確にする必要があるかもしれません。

どうすれば倒産を防ぐことができたのか?


警察の動きは非常にスピード感ある対応でかなりスムーズに排除措置公表までいきました。
事後対応でどれだけ説明をしても変わらなかった事案です。


もし、A社社長が「定期的に食事をするメンバー」を事前に反社チェックしていれば、警察に呼び出される前に関係を断つことができた可能性も。


一般的な取引先だけでなく、特に役員陣が個人的に付き合う対象にも、注意深く反社チェックをすることで結果が違ったのかもしれません。
リスク管理対象をどこまでにすべきか。参考になる事例かと思います。

【事例2】反社会的勢力とのつながり疑惑で上場廃止

お金イメージ


CD-ROMやDVDなどを製造・販売を行っていたB社は、2015年名古屋証券取引所セントレックス市場において上場廃止となりました。
2006年に上場を果たしていたB社には何があったのでしょうか?

B社の上場廃止までの経緯


第三者割当増資時に、割当予定の企業に反社会的勢力の疑いがあることを調査会社より報告を受けていました。
しかし、2期連続で債務超過となり上場廃止基準に該当する恐れがあったため、資金調達のためにその報告を名古屋証券取引所へは「故意」に伝えていませんでした。


しかしその後、名古屋証券取引所への第三者割当事前相談の過程で、割当予定の企業の中に反社会的勢力の疑いがあることを報告していなかったことが発覚。


虚偽があったことを確認した名古屋証券取引所は経緯報告書の提出をB社に求めました。
結果、代表取締役の黙認又は放置のもと、経営の中枢であった取締役らの主導で隠蔽が行われていたことと判断され、「上場契約について重大な違反を行った場合」に該当するとして上場廃止となりました。


※その後、金融庁からは四半期報告書等の虚偽記載に対する課徴金納付命令を受けています。

どうすれば上場廃止を免れたのか?


業績が振るわず、資金繰りに奮闘している中でありましたが、調査会社からの調査結果に真摯に向き合っていれば上場廃止を免れたのではないでしょうか。


今回のケースでは反社である可能性に気づけていたわけですが、経営状況からか普段ならしない判断をしてしまったのではないかと思わせる一件。
どのような状況であれ、目先の利益に惑わされないことが大事であることがとても分かる事例ではないでしょうか。

【事例3】横領金のグレーな行先で株価が大幅下落

株価下落イメージ


スマートフォン関連の情報サイトを運営するC社では上場後2か月で役員の横領が発覚しました。
自社のIRで報告したものですが、この横領したお金の流れに大きな問題がありました。


結果として株価が20%近く下落したのですが、どういった経緯だったのでしょうか?

役員が資金を横領。さらにはその資金が反社へ?


上場してからたった2か月後、C社のIRにて約1億4000万円もの横領があったと公開されました。
税務調査の過程で発覚し、社内調査を行った結果、銀行口座から不正に送金されていた事実が明るみになったとのことでした。


その後、個人が掲載した記事の中で、「元役員が過去の経歴をネタに反社会的勢力に恐喝され、横領金を流している」という疑惑が世間に伝わる事態に。
C社は反社会的勢力との繋がりについて「一切ない」と否定を続けていましたが、それでも株価は20%近く下落。
大きな損失を受けることとなってしまいました。

どうすれば大幅下落を防げたのか?


3年にもわたる長期間での資金横領。
C社が財務管理をしっかり行っていればこのような事態を防げたのは言わずもがな。


さらに、従業員、特に役員陣の経歴も含め事前チェックし本人とも信頼関係を構築できていれば、元役員の横領があったにせよ、そもそも反社会的勢力の恐喝のネタになっているかも?と風評される前に、第三者への説明責任を果たせたのではないでしょうか。

反社会的勢力と関わると損失は甚大 事前チェックは必要不可欠


紹介した3社の事例はどの企業でも反社会的勢力との関係が露見するとただでは済まされないという非常に教訓となる事例です。
直接的な関係になかったり、本当に関係が無かったとしても、噂が流れるだけで経済活動に影響が出ることも。


事前に反社チェックを行うなど、真摯に向き合うことで防げる可能性が上がる反社リスク。
コストとは考えず、もしものときの保険として反社チェック・コンプライアンスチェックを行うことは企業にとって「必要不可欠」であるといえるでしょう。

まとめ


いかがでしたでしょうか?
反社と関わってしまった企業の事例をもとに、どうすればリスクを回避できたのかを解説しました。
結論、適切な対象者・タイミングで事前に反社チェック・コンプライアンスチェックをし、『反社と関与しない』という姿勢を貫けていたならば防げた可能性がある事例でした。


反社事案は規模が大きい企業のほうが注目されやすく損失も甚大になりやすい印象ですが、実際には企業規模は関係なく、中小企業でも深刻なダメージを受けるとご理解いただけたかと思います。


​​​​​​​企業規模に限らず、できるだけ早く自社のコンプライアンス体制を整えることが、これからの会社経営において必須といえるでしょう。

佐々木 雄輝
佐々木 雄輝
2022年にソーシャルワイヤー株式会社に入社。 反社チェックサービス『RISK EYES』のマーケティング施策の企画立案を担当。
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