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こども性暴力防止法のガイドラインを解説 事業者の対応と準備

こども性暴力防止法への対応は、性犯罪歴の確認だけでは完結しません。

こどもの安全と権利を守るため、日常の予防から相談対応、被害が疑われる場合の保護までを考える必要があります。

一方、ガイドラインを読んでも、自社が対象なのか、何から準備すべきか迷う担当者もいるでしょう。

本記事では、対象事業者の考え方、安全確保措置、日本版DBSの確認手続きと情報管理を整理し、施行に向けて進める準備の順序を解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.こども性暴力防止法のガイドラインとは?
    1. 1.1.ガイドラインの目的と日本版DBSとの関係
    2. 1.2.対象となる事業者・従事者|義務対象と認定対象の違い
    3. 1.3.施行は2026年12月25日|最新のガイドラインを確認する
  2. 2.ガイドラインが示す性暴力防止のための安全確保措置
    1. 2.1.未然防止に向けたルール・環境づくりと従事者研修
    2. 2.2.性暴力の早期把握と、こどもが相談しやすい体制の整備
    3. 2.3.性暴力が疑われる場合の初期対応・調査とこどもの保護・支援
  3. 3.日本版DBSによる性犯罪歴の確認と情報管理のポイント
    1. 3.1.確認できる性犯罪歴の範囲と犯罪事実確認の手続き
    2. 3.2.新規採用者・現職者の確認時期と、派遣・業務委託の取扱い
    3. 3.3.確認結果などを踏まえた防止措置と採用・配置上の注意点
    4. 3.4.犯罪事実確認記録等の管理|利用制限・漏えい防止・廃棄
  4. 4.ガイドラインを踏まえて事業者が進める施行準備
    1. 4.1.対象者・担当者を整理し、公式ひな型で規程や採用書類を見直す
    2. 4.2.日本版DBSと反社チェックの役割の違い|代替できない理由
  5. 5.まとめ

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こども性暴力防止法のガイドラインとは?

こども性暴力防止法のガイドラインとは?ガイドラインは、制度の対象と必要な対応を具体化した資料です。まず、自社に適用される範囲と資料の読み方を押さえましょう。

ガイドラインの目的と日本版DBSとの関係

「こども性暴力防止法施行ガイドライン」は、こども家庭庁が法令の解釈や運用を示したものです。措置を実行するための手引きです。

日本版DBSは性犯罪歴を確認する仕組みで、対策の一部です。ガイドラインは予防や相談、保護・支援も扱っています。

記載には法令上の義務と推奨・例示が含まれるため、すべてを一律の義務と捉えないことが大切です。 

参考:こども家庭庁「こども性暴力防止法施行ガイドライン」

対象となる事業者・従事者|義務対象と認定対象の違い

学校や認可保育所などの「学校設置者等」は義務対象です。

一方、要件を満たす学習塾、スポーツクラブ、認可外保育施設などは認定対象となります。認定の申請は任意ですが、認定後は安全確保措置などの義務を負います。

従事者は教員や保育士など、法令が定める職種・業務が対象です。

短期・単発勤務や無償ボランティアも、業務実態が「教員等」「教育保育等従事者」に該当すれば、従事期間による例外なく対象となります。

事務職員や送迎担当などは、こどもとの関係の支配性・継続性・閉鎖性を踏まえて判断します。

対象事業内では、SNS等のオンラインのやり取りも判断に含みます。

全従業員が一律に対象となるわけではありません。 

※オンラインでの接触を考慮するのは、対象事業内の従事者の業務実態の判断です。録画配信など双方向のやり取りがないものは除きます。学習塾等の「民間教育事業」には事業自体の要件もあり、対面指導を一切想定しないオンライン専業まで一律に対象となるわけではありません。 

参考:こども家庭庁「こども性暴力防止法施行ガイドライン」

施行は2026年12月25日|最新のガイドラインを確認する

施行日は2026年12月25日です。

本記事は2026年9月18日を基準とし、同年9月改訂版のガイドラインに基づいています。

最新版は、こども家庭庁の制度ページで確認できます。

あわせて、施行規則、公式Q&A、通知、ひな型の更新も確認してください。 

参考:こども家庭庁「こども性暴力防止法施行ガイドライン」 / 施行期日を定める政令(令和7年政令第439号)

ガイドラインが示す性暴力防止のための安全確保措置

ガイドラインが示す性暴力防止のための安全確保措置安全確保措置は、予防からこどもの保護までを担う取組です。

犯罪歴確認だけに頼らず、日頃のルール、相談先、疑いを把握した後の対応をつなげて整えます。

未然防止に向けたルール・環境づくりと従事者研修

防止対象の「児童対象性暴力等」と、犯罪歴確認の対象の「特定性犯罪」は範囲が異なります。

「不適切な行為」は、性暴力に該当せず、業務上必要とはいえないもので、こどもの尊厳を侵害し得るうえ、継続・発展して性暴力につながり得る行為です。

事業者はその範囲を定め、従事者やこども、保護者に周知します。

例えば、私的なSNSでのやり取りに関するルールを決め、個別指導室が密室になりにくい運用を検討します。防犯カメラは一律の設置義務ではなく、こどものプライバシーを踏まえた検討事項です。

こどもに回避の責任を負わせません。

研修は法が求める措置で、ガイドラインでは座学と演習による受講を求めています。

原則はこどもに接する業務の開始前で、義務対象事業者の施行時点で従事中の者は原則として施行前に受講します。

認定申請時に従事中の者も申請前の受講が必要です。

申請後に従事を始める者は従事前に受講し、事業者が受講状況を確認します。 

参考:こども家庭庁「こども性暴力防止法施行ガイドライン」

性暴力の早期把握と、こどもが相談しやすい体制の整備

早期把握には、日常観察、発達段階や特性に応じた定期的な面談・アンケート、報告ルールの整備が必要です。

施設責任者は、従事者が気づいた変化や不適切な行為を、誰にどう報告するかを明確にします。

相談体制では、事業者内の相談員の選任または窓口の設置・周知に加え、外部相談窓口の周知も求められます。

担任や指導者に言いにくい場合でも、別の相談先を選べるようにしましょう。

相談後の対応や情報の扱いを伝え、話すことへの不安を減らしましょう。 

参考:こども家庭庁「こども性暴力防止法施行ガイドライン」

性暴力が疑われる場合の初期対応・調査とこどもの保護・支援

相談・申告には、犯罪歴確認や有罪判決を待たずに対応します。

疑いを把握したら、こどもの心身の安全を優先し、事実確認と並行して必要な接触回避を行います。

申告を真摯に受け止めつつ、疑いを確定した事実として扱わず、公正・中立に調査します。

犯罪が疑われる場合は聴き取りを最低限にとどめ、速やかに警察へ通報・相談します。

繰り返し質問したり、回答を誘導したりせず、発言や関係資料を記録・保全してください。

適用法令に沿って所管行政庁等へ通告し、社内だけで完結させません。保護者への連絡では、保護者自身の加害が疑われるなどの事情にも留意します。

被害が認められた場合は、接触回避に加え、支援機関の情報提供や本人・保護者の相談への対応が必要です。

必要な保護・支援は初期段階から行い、医療や心理支援につなぎます。

情報共有は必要な範囲に抑え、うわさなどによる二次被害も防ぎます。 

参考:こども家庭庁「こども性暴力防止法施行ガイドライン」

日本版DBSによる性犯罪歴の確認と情報管理のポイント

日本版DBSによる性犯罪歴の確認と情報管理のポイント犯罪事実確認は、対象となる性犯罪歴を国の手続きで確認するものです。

確認範囲や期限、結果に基づく判断、記録の扱いを押さえましょう。

確認できる性犯罪歴の範囲と犯罪事実確認の手続き

確認対象は、不同意性交等、児童買春、盗撮、条例に基づく痴漢など、法令が定める「特定性犯罪」です。

成人への犯罪も含まれますが、不起訴は対象外です。

対象期間は、拘禁刑の実刑では刑の執行終了等から20年、全部執行猶予(取消しを除く)では裁判確定から10年、罰金刑では執行終了等から10年を経過しない期間です。

改正前の懲役刑も含まれます。事業者が国に交付申請し、本人が戸籍等の必要情報を国に提出します。

国の照会を経て事業者が犯罪事実確認書を受領・確認します。

該当する犯罪歴がある場合は本人に事前通知され、通知を受けた日から2週間以内に訂正請求できます。

交付の標準処理期間は、日本国籍を有する場合は2週間~1か月、有しない場合は1~2か月です。

交付日の保証ではなく、書類準備も見込んで日程を組みます。

参考:こども家庭庁「こども性暴力防止法施行ガイドライン」 / こども家庭庁「こども性暴力防止法に関するQ&A」

新規採用者・現職者の確認時期と、派遣・業務委託の取扱い

新規採用者等は、内定等で対象業務への従事が決まった後、原則として従事開始までに確認します。

申請だけでなく確認書の受領・確認まで必要です。

義務対象の施行時現職者は2029年12月24日までに、分散申請の日程に沿って確認します。

認定時現職者は認定から1年を経過する日までです。

施行・認定の前日までに従事を決定した者も含まれ、期限までに対象業務に従事しなくなった者は除かれます。

猶予は犯罪事実確認に限られ、研修や相談体制の整備は先延ばしにできません。

継続従事者は、確認日の翌日から5年を経過する日の属する年度内に再確認します。

「いとま特例」は、急な欠員等のやむを得ない事情で事前確認が間に合わず、直ちに従事させなければ事業運営に著しい支障が生じる場合に限られます。

確認期限は従事開始から原則3か月以内、一定の場合は6か月以内です。

法定要件を満たさない単なる人手不足には適用できません。

確認までは原則一対一にしない措置、研修、管理職の巡回等が必要です。

派遣・請負労働者は派遣先・発注者、個人業務受託者は委託者である対象事業者が確認します。指定管理等では設置者と運営者の共同申請となる場合があるため、確認主体を確定してください。 

※6か月以内となるのは、一定の組織再編や、期限までに十分な余裕をもって申請したものの交付を受けられない場合など、法定の要件を満たす場合です。事業者の判断だけで3か月を6か月に延ばすことはできません。未就学児や障害児などが異変を認識して周囲の大人に説明できない状況では、こどもが複数でも「一対一」とみなされます。 

参考:こども家庭庁「こども性暴力防止法施行ガイドライン」

確認結果などを踏まえた防止措置と採用・配置上の注意点

性暴力が行われるおそれがあると認める場合、事業者は防止措置を講じます。

特定性犯罪事実該当者は通常「おそれ」があると判断し、原則として対象業務に従事させません。

ただし、確認結果だけで一律に解雇や内定取消しができるわけではありません。契約・就業規則・採用時の説明や、対象業務以外への配置を確認します。

職種限定の合意がある場合の配置転換など、本人同意が必要な場面にも注意します。

犯罪歴がなくても安全の保証にはならず、日頃の行為や相談内容も踏まえます。 

参考:こども家庭庁「こども性暴力防止法施行ガイドライン」

犯罪事実確認記録等の管理|利用制限・漏えい防止・廃棄

確認記録等は、法定の例外を除き、目的外利用や第三者提供が禁止されます。

本人の同意があっても自由に利用・提供できず、派遣元への犯歴情報の伝達も認められません。

管理責任者と権限を定め、取扱者を最小限に限定します。

国のシステム外への記録・保存は極力避け、社内共有も防止措置に必要な範囲に絞ります。

漏えい等の重大事態はこども家庭庁への報告対象です。

廃棄・消去の期限は、確認日から5年経過した日の属する年度末から30日以内です。

離職時や対象事業者でなくなった場合はその日から30日以内となります。

不採用の場合は申請書の従事予定日と確認書交付日の遅い日から30日以内です。

人事書類と分けて期限を管理します。 

参考:こども家庭庁「こども性暴力防止法施行ガイドライン」

ガイドラインを踏まえて事業者が進める施行準備

ガイドラインを踏まえて事業者が進める施行準備
準備は、対象範囲の確認、責任者の決定、規程・書類の整備、運用確認の順に進めます。

制度の手続きを担当する部門と、日常の安全を支える現場との分担も決めましょう。

対象者・担当者を整理し、公式ひな型で規程や採用書類を見直す

施設ごとの対象区分と従事者を一覧化し、責任者を決めます。

申請は原則オンラインです。GビズID、こども性暴力防止法関連システムのアカウント、本人のマイナンバーカード等による認証環境を確認します。 

事業者の対応チェックリスト(担当部署と準備順序は編集部の実務例) 

事業者の対応チェックリスト書類は、こども家庭庁の公式ひな型から自社に合うものを選びます。

採用書類や就業規則の参考例は、現在の労働条件と照合して修正します。

認定申請に必要な「児童対象性暴力等対処規程」は、義務対象事業者には作成義務がありません。

情報管理規程は、閲覧者数とシステム外での保存の有無に合うひな型を選び、現場の運用と照合します。

定期報告と帳簿管理の担当も決めます。義務対象は毎年1回、4月末時点の状況を5月末までに報告し、初回期限は2028年5月末です。

認定事業者の期限は認定日に応じて異なります。 

参考:こども家庭庁「こども性暴力防止法施行ガイドライン」 / こども家庭庁「各種ひな型・参考例リンク集」

日本版DBSと反社チェックの役割の違い|代替できない理由

反社チェックは反社会的勢力との関係を避けるための調査です。

日本版DBSとは目的も情報源も手続きも異なります。

新聞記事やウェブ検索、民間の反社チェックでは、国が交付する確認書による犯罪事実確認を代替できません。

法定の犯罪事実確認と反社チェックは別の手続きです。

性犯罪歴のある人と反社会的勢力を同一視せず、確認結果を反社チェックに流用してはいけません。

RISK EYESは新聞記事やWEBニュースなどを検索できるサービスです。

取引先審査等では、法定の性犯罪歴確認とは分けて運用します。 

参考:こども家庭庁「こども性暴力防止法施行ガイドライン」 / 「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」 

まとめ


05_まとめ_PDCAこども性暴力防止法のガイドラインは、性犯罪歴の確認と、予防・相談・保護・支援を一体で進めるための手引きです。

確認だけでなく、日々の安全確保が欠かせません。

まずは、自社の事業・施設と従事者の対象範囲を整理し、準備を進める責任者を決めましょう。

公式ひな型と現在の運用を照合し、不足している書類や体制に担当と期限を割り当てます。

準備の進捗だけでなく、こどもが相談先を知っているか、現場で報告ルールが使えるかも確かめてください。

2026年12月25日の施行に向け、公表資料の更新を確認し、法令上の義務と実務上の工夫を区別しながら準備を進めてください。 

※本記事は記載の情報基準日時点の一般的な解説です。個別の判断は最新の公式資料と個別事情を確認し、必要に応じて所管窓口や弁護士等にご相談ください。チェックリストは編集部の実務例であり、適法性・安全性を保証するものではありません。

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RISK EYES編集部
RISK EYES編集部
反社チェックツール「RISK EYES」のブログ編集部です。反社関連の情報だけでなく、与信やコンプライアンス全般、IPO準備などについても執筆しています。
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