反社会的勢力と関わりのある企業一覧は存在するのか？見分け方・調べ方も解説

企業のコンプライアンス遵守や取引先選定に先立って、反社チェックは欠かせません。
反社チェックのために、反社会的勢力と関わりのある企業リストがあれば便利だと考えている企業も多いでしょう。

この記事では、反社チェックに利用できる企業一覧の閲覧方法についてわかりやすく解説しています。
反社会的勢力の隠れ蓑になっているフロント企業の見分け方や調べ方も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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👉反社会的勢力とはなにか？定義や調べ方など具体的な対策を解説

👉反社チェック（コンプライアンスチェック）を無料で行う方法

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反社会的勢力とは

法務省は反社会的勢力を「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人」と定義しています。（平成19年指針）

この定義には、指定暴力団はもちろん、いわゆる半グレや暴力団準構成員、フロント企業（舎弟企業）と呼ばれる暴力団関係企業、総会屋なども含まれます。
その他に、街宣車などを乗り回す社会運動標ぼうゴロ やオレオレ詐欺などを行なう詐欺グループ、サイバーテロなどを行う特殊知能暴力集団なども反社会的勢力です。

国は「犯罪収益移転防止法」「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」などを制定し、反社会的勢力を取り締まるとともに、反社との取引防止のための法体系を整備しています。

また各都道府県も、暴力団の排除条例を設けています。

関連記事：反社会的勢力の見極め方＆企業へ近づく手口とは

反社会的勢力と関わりのあった企業一覧

反社会的勢力と関係を持った企業は、公共事業への入札停止業者などの形で公開されます。
建設事業に限らずイベント企画や印刷など、国の機関や地方自治体などの官公庁が実施する「競争入札」において入札が必要な事業が対象です。

入札停止業者の一覧は各都道府県の公式サイトから一覧できます。
たとえば福岡県は「暴力団関係事業者に対する指名停止措置等一覧表」として、下表を公開しています。（2023年10月26日更新）

福岡県の排除措置業者一覧 

出典：暴力団関係事業者に対する指名停止措置等一覧表 - 福岡県庁ホームページ 

排除措置の理由は下記の２つのいずれかです。

• 役員等が暴力的組織の構成員となっている
• 役員等又は使用人が、暴力的組織又は構成員等と密接な交際を有し、又は社会的に非難される関係を有している

公共事業への入札停止企業の一覧は下記のサイトなどからも閲覧できます。
ただし、入札停止の理由は暴力団と関係があった企業に限らず、贈賄や入札妨害など一般的な不正行為も含まれています。

参考：環境省『指名停止措置情報』
　　　国土交通省関東地方整備局『指名停止措置情報』

関連記事：反社会的勢力の実名リストはある？指定暴力団や関係企業の確認方法

フロント企業・舎弟企業が多い業種

業種でフロント企業かどうか見分けることはできませんが、歴史的な経緯などからフロント企業が他の業種よりは比較的多いと言われている業種に、建設業、金融業、人材派遣業、芸能会社などがあります。

建設業

建設業にフロント企業が多いと言われる理由の1つは、土地や建物など高額の物件を扱う業界ゆえに、トラブルの解決のために暴力団の力を借りる建設業者が過去には少なくなかったからだと考えられます。

また、建設業では大きな仕事が発生すると、多くの職人や現場労働者を集める必要があります。
昔はその人集めや飯場の管理などをヤクザ組織が請け負うことがあったため、建設業との関係が深まった面もあります。

建設業界と関係を深めた暴力団の中には、自らフロント企業として建設業を営むものもいたでしょう。
関係した建設会社に入り込み、のっとるような形でフロント企業になった例もあります。

金融業

バブル期やバブル崩壊期には、金融機関と暴力団が利用したりされたりする関係が少なからずありました。
しかしこれは、暴力団が金融業を営んだわけではありません。

金融業を看板にするフロント企業は、ほとんどがいわゆる闇金です。
闇金とは①貸金業に登録していない、②法定利息を超えた利息を取る、③違法な取り立てをする貸金業者です。

人材派遣業

指定暴力団の山口組が勢力を拡大したきっかけが、神戸の港湾労働者の手配だったことは有名です。
上記の建設業でも触れたように、人の手配や派遣には暴力団が関わってきた歴史があります。

現在でも、実質的に暴力団が経営する人材派遣業者があると言われているので注意が必要です。
事実、2011年に東日本大震災の仮設住宅建設に、派遣業法で禁止されている単純労働者の派遣を行ったフロント企業が摘発されています。

芸能会社

昔は地方で芝居の興行などを行うときは「土地の親分に挨拶をする」のが習わしで、無視するとさまざま嫌がらせや妨害を受けたものでした。

そんなところから、ヤクザに顔が利くことが芸能会社の経営には役立つことが多く、経営にヤクザが加わるなどしてフロント企業化する芸能会社もあったのでしょう。

関連記事：安心して取引先するために企業調査・リスク管理を見直そう 今から始める反社チェック

反社会的勢力と関わりのある企業の特徴・見分け方

現在のフロント企業や舎弟企業は、社会的な締め付けが大きくなったことから、一見してそれとわかるような見かけや言動をとりません。

むしろ、一般企業よりもソフトなタッチで接することが多いと言えます。
しかし、メッキがはがれて地金が現れることもままあります。

フロント企業の特徴

フロント企業の特徴としては、ブラック企業が多い、求人条件が即日勤務可である、金遣いが荒いなどがあります。

ブラック企業が多い

暴力団の世界では、使用人に給料を払うどころか目下のものが組織に上納金を納めるのが当たり前なので、フロント企業の経営者には従業員をていねいにあつかう発想が希薄です。

コンプライアンスはもちろん、労働基準法を守ろうという意識もないので、ブラック企業になりがちで、パワハラ、セクハラもしばしば生じます。
外面は良いが部下に対する態度が横柄なことや、従業員の入れ替わりが激しいなどもフロント企業の特徴です。

求人の条件が「即日勤務可能」

辞める従業員が多いフロント企業は、つねに人材募集をしていて、求人の条件も「即日勤務可能」が普通です。

新入社員の個人情報をいわば人質にして、入社翌日からブラック企業の正体を現して過酷な勤務を強いるフロント企業も少なくありません。

派手な飲み会を開催している

反社の地金が出やすいのが、飲み会などのイベントです。
入社歓迎会などで豪華な飲み会を開き、お酒の席で社員をマインドコントロールしようとする例もよく聞きます。

仕事は厳しいが遊ぶときはパーッとやろう、がフロント企業の基本スタンスです。

社員旅行先が海外

社員旅行も反社の地金が出やすいイベントです。
面接で、社員旅行の行き先がハワイやラスベガスだと強調するのも、フロント企業の特徴と言えます。

フロント企業の見分け方

上記のフロント企業の特徴から、化けの皮がはがれたフロント企業を見分けることも可能ですが、フロント企業もそう簡単には馬脚を現わさず、特徴だけから判断することはできません。

これから取引開始する相手にフロント企業の疑いや噂が少しでもある場合は、 登記簿謄本確認や 現地確認の実施、聞き込み、ネット調査などで、印象に頼らない判断材料を集める必要があります。

以下の項目では、反社会的勢力と関わりのある企業をどう調べるのかを詳しく解説します。

関連記事：反社の見落としゼロへ！　既存顧客への定期的な反社チェックが必要な3つの理由

反社会的勢力と関わりのある企業の調べ方

反社会的勢力と関わりのある企業を調べる方法には、次のようなものがあります。

• インターネットや新聞記事を調べる
• 調査会社に調査を依頼する
• 警察や暴追センターに相談する
• 反社チェックツールを導入する

インターネットや新聞記事を調べる

反社チェックの基本となるのが公知情報の検索です。
公知情報の検索は、Google・Yahoo検索でインターネット上の情報を検索する方法と、日経テレコン、G-Searchなどで新聞記事データを検索するなどの方法があります。

対象企業の社名や代表者、役員の氏名で検索すると、反社会的勢力との関わりを示すコンテンツがヒットすることがあります。
検索キーワードに「反社」「暴力団」などを加えるとよりピンポイントで情報が得られます。

公知情報でヒットしても同名他社、同姓同名などの別人の可能性もあるので、登記簿謄本の確認や生年月日などで一致の検証が必要です。
チェックして疑わしい事実がヒットしたときは、検索した際の画面を保管しておきましょう。

関連記事：反社チェックを無料で行う方法　ツール利用についても解説

調査会社に調査を依頼する

公知情報の検索などで疑わしい情報が浮上したときは、費用はかかりますが専門調査機関へ依頼して詳しく調査した方が良いケースもあります。

調査会社では、会社住所を訪ねる現地調査、近所の聞き込みなどを行ないます。
現地調査を行ったときに、駐車場に街宣車が停まっていたなどということもあります。

警察や暴追センターに相談する

公知情報の検索や調査会社の調査を経て危険度が高いと判断されたときは、それまで調べた材料を用意したうえで、警察・暴力追放運動推進センターに相談しましょう。

準備を整えて相談することで、一般には公開されていない反社情報が提供される可能性があります。

反社チェックツールを導入する

反社に関する情報をデータベース化して、効率的に検索できる機能を備えたのが反社チェックツールです。

クラウドサービスで利用できる反社チェックツールが数多く提供されています。
効率よく反社チェックを行うには専用ツールの導入がおすすめです。

関連記事：企業を守る反社チェックとは　知っておくべき概要と具体的なやり方

反社チェックにおすすめな反社チェックツール

反社チェックツールの基本機能は検索機能です。
社名や氏名を入力するだけで、反社に関する情報が効率よく確認できます。

その他ツールによって、モニタリング機能（既存の取引先に反社など情報が報道されたときに通知する）、API連携機能（顧客管理システムなど異なるソフト間でデータを共有する）などの機能を備えています。

「RISK EYES」の特徴

反社チェックツール「RISK EYES」は、反社チェックに必要な手間と時間を、下記のようなシステムで大幅に削減できるのが特徴です。 

• 調査対象名だけで簡単に検索できる 
• 余分な記事が自動削除される 
• 同系記事がまとめて表示される 
• 高精度な検索ワードを使用できる

RISK EYESを利用することで、5つのソース（①新聞記事、②WEBニュース記事、③ブログ・掲示板投稿、④独自の反社データベース、⑤制裁リスト）を一度に検索できます。

まとめ

反社会的勢力に関係のある企業の一覧は、各都道府県が公表している「暴力団関係事業者に対する指名停止措置等一覧表」から閲覧が可能です。

フロント企業などの暴力団関係企業は、外見や行動の特徴だけから見分けることはできません。
公知情報の検索や調査会社への依頼などの反社チェックが必要です。

効率的な反社チェックには、反社データベースを基にさまざまな機能を備えた反社チェックツールの利用が便利です。  

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