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上場企業・IPO準備企業の陰に潜む反市場勢力とは?基本と用語について解説

「反社会的勢力」の排除はどの企業でも取り組まれていることですが、「反市場勢力」の排除は進んでいるでしょうか?
企業の資金調達やM&Aを担当する財務や経営企画などの方々はよく耳にするようになってきたことでしょう。

「反市場勢力」は、元々金融業界で使われていた用語で定義が明文化されているわけではありませんが、企業リスクを排除するためには知っておくことが大切です。
今回は「反市場勢力」とは何か、基本から関連する用語について解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.反社会的勢力と並んで排除が必要な「反市場勢力」とは?
  2. 2.反市場勢力に関連する用語解説
    1. 2.1.総会屋
    2. 2.2.仕手筋
      1. 2.2.1.仕手戦
      2. 2.2.2.5%ルール
      3. 2.2.3.風説の流布
    3. 2.3.不公正ファイナンス
      1. 2.3.1.ハコ企業
      2. 2.3.2.裏口上場
      3. 2.3.3.第三者割当増資
      4. 2.3.4.インサイダー取引
  3. 3.反市場勢力を見分けるために上場企業にも反社チェックは必要
  4. 4.まとめ

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反社会的勢力と並んで排除が必要な「反市場勢力」とは?

反社会的勢力と並んで排除が必要な「反市場勢力」とは?

反社会的勢力と区別される反市場勢力とはいったいなんなのでしょうか?
そもそも「反社会的勢力」とは​​​​​、暴力団や半グレ、暴力団関係企業などのことをいいます。

一方で「反市場勢力」とは株式市場で不正な取引を行い、違法な手段で利益を得る勢力のことをいいます。
反社会的勢力が武闘派集団で、反市場勢力は知能犯集団のようなイメージでしょうか。
ただ、近年では反社会的勢力が特殊詐欺で資金獲得をしたりとその区別はどんどんあいまいになっています。

反市場勢力の典型的な活動として株価操縦、インサイダー取引をする仕手筋、不公正ファイナンス、金融ブローカー等をグループで行っています。
活動領域が上場企業相手になるケースが多いので、IPO準備中や上場企業では事前の反社チェックが非常に大事です。

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反市場勢力に関連する用語解説

反市場勢力に関連する用語解説

反市場勢力に関する用語は耳馴染みのないものが多いです。
ここでは反市場勢力の主要な行為や証券市場で使われる専門用語を解説します。

総会屋

総会屋は株主総会で、株主の権利を乱用し企業から不当な利益を得ようとするものの総称を指します。
総会屋のお金をせしめる手段は下記の2つです。

  • 不穏当な発言などの議事進行の妨害行為
  • 株主総会を滞りなく進行させるために企業側に協力する行為

どちらの場合でも株主総会を滞りなく終わらせたい企業側に付け込んだ行為です。

従来より総会屋への利益供与は商法で禁止されていましたが、少なからず総会屋は存在していました。
現在では2009年の罰則引き上げに始まった総会屋対策の法改正と、企業のコンプライアンス強化により旧来の総会屋はほど壊滅といった状況です。

仕手筋

仕手筋は、公開市場で投機により大きな利益を得ることを目的とし、大量の短期売買を行う投資家のことです。
潤沢な資金が必要なため、グループで活動することがほとんどで、特定の銘柄に対し様々な手法を駆使して「仕手相場」を作り、利益をあげます。

仕手筋により利用される銘柄を「仕手株」といって、株価は急騰・急落、他の投資家に多大な損失を与えるおそれがあります。

※公開市場…特定の条件や資格などを必要とせず、誰でも地涌に参加して取引できる市場のこと。
※仕手相場…大量の資金を元に自ら相場を作り出す仕手が関わって盛り上げている相場のこと。

仕手戦

仕手戦は、仕手集団が買い方と売り方に分かれて「仕手相場」を作り出すために争うことです。
買い方は安値の株を大量に買い続けて株価を急激につり上げます。
一方、売り方は信用取引で株を大量に売り株価を叩き落とそうとします。

仕手集団が、敵対する仕手集団の行動に乗じて対抗する形で参戦して、大量の個人投資家を巻き込んで巨大な利益を得ようとします。
さまざまな規制の強化や、市場・環境の変化、ネット取引の普及などで証券市場は様変わりし、現在ではあからさまで大規模な仕手戦は勃発していません。

5%ルール

5%ルールは1990年の証券取引法改正で導入されたルールです。
目的は、仕手行為による株価の乱高下などによる不測の事態から一般投資家を保護することで、違反した場合は刑事罰の対象となります。

法律の中身としては

  • 同一銘柄の発行済み株数のうち、保有株数がその5%を超えた場合は5日以内に財務省に報告すること
  • 5%取得後も、保有株数に1%以上の変動があれば届け出ること

などが義務付けられています。

しかし、この5%ルールの盲点を突いた反市場勢力も存在します。
自分の配下の人物複数人や法人に株価が安い銘柄の5%未満の株式を取得させ、それらを合算し多数派になる割合になったところで株主提案を提出。

その提案を株主総会で議決し、対象企業を乗っ取ってしまうというケースです。
法律から見れば違法行為にはならないものの、市場のモラルを顧みない反市場的行為として批判されています。

風説の流布

風説の流布は、ある特定の株式の相場変動を図ることを目的として、上場会社や証券取引等に関する事実関係の確認されていない情報や、合理的な根拠に基づかないウワサをインターネットの掲示板等の媒体を利用して流布することです。

また、このような行為は証券投資を行っていなくても「風説の流布」に該当して、摘発される可能性があります。

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不公正ファイナンス

不公正ファイナンスは、有価証券の市場における上場企業自体をお金を流通させる「ハコ」のように利用して、不正な利益を得ることを指します。

例えば、

  • 経営不振企業が出所不明の投資ファンドなどへ実行するファイナンス
  • 既存株式の価値低下を招く第三者割当増資の乱発
  • 反社会的勢力が関与するファンドへの割り当て

などがあたります。
こうした不正を常習的に働く企業や人物は反市場勢力としてマークされています。

従来のインサイダー取引や仕手行為などは主に流通市場だけを監視していればある程度取り締まりできました。
しかし、不公正ファイナンスは株式発行・流通両市場にまたがる複雑かつ悪質な不正行為であるため、両市場全体の監視が必要です。

ハコ企業

ハコ企業とは、業績不振で株価が低迷し、無名ファンドや仕手筋などに株式を買い占められてマネーゲームや裏口上場の道具に使われる上場企業を指します。

上場当初は実事業による収益があっても、入れ替わった経営陣のハコ扱いにより第三者割当増資の乱発や、不審なM&Aの実行、有価証券報告書虚偽記載など不公正ファイナンスの温床と化してしまいます。

そして、粉飾決算や有価証券報告書遅延などの理由で、上場廃止からの破産により法人が消滅するケースが大半です。

裏口上場

裏口上場とは証券市場において、会社の株式や債券などに関わる上場審査を受けない方法で株式上場を果たすことです。

非上場企業が上場している会社を吸収合併した場合、本来であれば上場株式は管理銘柄として投資家への注意喚起がなされます。
その後、吸収合併した側の非上場企業を上場させるべきか正式審査されます。

しかし、非上場企業が上場企業の合併等を行う際、上場企業を存続会社として合併するといった不適当な方法で審査を免れ、実質的に上場を果たすケースがあります。

新興国の企業、投資家などが、経営不振で株価が低迷している企業を対象として合併し、時間や費用をかけずに上場する手段として行使する事例も増えています。

第三者割当増資

第三者割当増資は、新たに資金調達したい上場会社が、既存の株主以外の特定の者に、新株を割り当てて出資を受ける方法です。
公募増資に比べて第三者のチェックが入りづらく、不適切な行為や隠蔽が発生するおそれがあります。

例えば、第三者割当増資の払込原資をたどると、その会社が別の目的で支出した資金が回流してきていたり、現物出資に当たって財産評価が水増しされていたりします。

また、大幅なディスカウント率で大量の新株が発行されると、既存株主の権利が希薄化して会社の支配権に異動が生じてしまいます。
そして、会社の役職員や既存株主にとって好ましくない者が支配権を握って、会社の資金を不適切な投融資により社外に流出させることもあります。

インサイダー取引

インサイダー取引とは、上場会社または親会社・子会社の役職員や大株主などの会社関係者、および情報受領者が、その会社の株価に重要な影響を与える「重要事実」を知って、その重要事実が公表される前に、特定有価証券等の売買を行うことです。

最近ではハコ企業の経営を差配する反市場勢力グループが組織的かつ計画的に、自社の重要事実を利用してインサイダー取引を実行していることが多いようです。

また、証券市場のルールやマナーを軽視する企業オーナーが、自社の未公表の重要事実で違法取引に手を染めることが少なからずあるようです。

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反市場勢力を見分けるために上場企業にも反社チェックは必要

反市場勢力を見分けるために上場企業にも反社チェックは必要

上場企業だからといって無条件に反社チェックをスルーしていないでしょうか?
反市場勢力は上場企業をハコ企業化し、利益を上げる組織です。

上場しているから安全ということはないので、新規取引時には必ず反社チェックを行いましょう。
また、定期的な反社チェックを行うことも必要です。
いつ反市場勢力に入り込まれるかわからない以上、定期的なチェックを行うことでリスクを限りなくゼロにすることも大事です。

反市場勢力に狙われる上場企業は赤字などの理由で上場廃止が迫っている企業が多いです。
付け込まれないようにリスク管理を徹底的に行いましょう。

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まとめ

ここまで「反市場勢力」について解説してきました。
反社会的勢力とは別で注視していかなければならない組織なので、排除するために相手のことを知っておくことが大事です。

上場した後に狙われるので、企業のリスクを事前に排除できるように立ち回りましょう。

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佐々木 雄輝
佐々木 雄輝
2022年にソーシャルワイヤー株式会社に入社。 反社チェックサービス『RISK EYES』のマーケティング施策の企画立案を担当。
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