
顧問弁護士とは?一般弁護士との違い・相談内容・メリット・選び方を徹底解説
企業活動において法的リスクの管理は欠かせません。
顧問弁護士は、契約書のチェックや労務対応、トラブル予防などを継続的に支援する心強い存在です。
この記事では、一般弁護士との違いや相談内容、導入メリット、選び方までをわかりやすく解説します。
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目次[非表示]
- 1.顧問弁護士とは
- 1.1.一般的な弁護士との違い
- 1.1.1.契約形態と関与の深さ
- 1.1.2.費用対効果と予防法務の観点
- 2.顧問弁護士に相談できる内容
- 3.顧問弁護士の5つのメリット
- 3.1.安定的で攻めの経営に専念できる
- 3.2.トラブル発生時の被害を最小限に抑えられる
- 3.3.有利な交渉や解決が期待できる
- 3.4.気軽に相談できる
- 3.5.リーガルコストを軽減できる
- 4.顧問弁護士の導入を検討すべきケース
- 5.顧問弁護士を選ぶ際に注意すべきポイント
- 5.1.専門性の高さ
- 5.2.所属弁護士の人数、事務所の規模
- 5.3.実績
- 5.4.料金体系の明確さと契約内容
- 5.5.相談時の対応や連携方法
- 6.まとめ
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顧問弁護士とは
顧問弁護士とは、企業や個人事業主が継続的な契約を結び、日常的な法務サポートを受けられる弁護士のことです。
契約書の作成・チェック、労務問題への対応、コンプライアンス体制の整備など、企業活動における法的課題を幅広く支援します。
単発のトラブル対応ではなく、企業の成長や安定経営を支える“社外の法務部”としての役割を果たします。
一般的な弁護士との違い
顧問弁護士と一般的な弁護士の最大の違いは、関与の継続性と深さにあります。
一般弁護士は、トラブルが発生した際にスポットで依頼するケースが多く、企業の内部事情や業務内容を十分に理解していないまま対応することもあります。
一方、顧問弁護士は継続的に企業と関わるため、事業の背景や社内体制を把握したうえで、的確なアドバイスや迅速な対応が可能です。
関連記事:契約法務とは?その役割と具体的な業務内容、重要なポイントをわかりやすく解説
契約形態と関与の深さ
一般弁護士は案件ごとに契約を結び、対応範囲も限定的です。
これに対し、顧問弁護士は月額制などの継続契約を結び、日常的な相談や書類チェック、社内規程の整備などに幅広く関与します。
企業の法務ニーズに応じて柔軟に対応できるため、経営者にとっては安心して事業に専念できる環境が整います。
費用対効果と予防法務の観点
スポット依頼では、1時間あたり数万円の費用が発生することもあり、トラブルが深刻化するとコストも膨らみます。
顧問弁護士は月額固定費で複数の相談が可能なため、コストパフォーマンスに優れています。
さらに、契約書の不備や労務リスクを事前にチェックする「予防法務」が実現できるため、トラブルを未然に防ぎ、結果的に大きな損失を回避することができます。
関連記事:予防法務とは?重要性と具体的な業務内容、注意点を解説
顧問弁護士に相談できる内容
顧問弁護士は、企業の法務全般にわたって継続的な支援を行う存在です。
単なるトラブル対応にとどまらず、日常的な業務の中で発生する法的課題に対して、予防的かつ戦略的なアドバイスを提供します。
ここでは、顧問弁護士に相談できる主な内容を具体的に紹介します。
契約書の作成・レビュー、法的リスク管理
企業活動において契約書は欠かせない存在です。
取引先との業務委託契約、売買契約、秘密保持契約など、契約書の内容次第で将来的なリスクが大きく変わります。
顧問弁護士は契約書の作成やレビューを通じて、法的な不備や曖昧な表現を排除し、企業にとって有利かつ安全な契約を整備します。
また、契約交渉の段階から関与することで、リスクを事前に察知し、適切な対応策を講じることが可能です。
関連記事:契約書レビューとは?具体的な流れや確認すべきポイントをわかりやすく解説
労務問題への対応と就業規則の整備
従業員との関係においても、法的なトラブルは起こり得ます。
例えば、解雇や懲戒処分、残業代の未払い、ハラスメント対応など、労務問題は企業の信頼性にも関わる重要な課題です。
顧問弁護士は、労働基準法や関連法令に基づいたアドバイスを提供し、適切な対応をサポートします。
さらに、就業規則や社内規程の整備を通じて、トラブルの予防と社内ガバナンスの強化にも貢献します。
債権回収、知的財産管理、その他専門分野
取引先からの未払金の回収や、商標・著作権などの知的財産の保護も、顧問弁護士が対応可能な分野です。
債権回収では、内容証明の送付から訴訟対応まで、状況に応じた戦略的なアプローチが求められます。
また、知的財産については、登録手続きや侵害対応、ライセンス契約の整備など、専門的な知識が必要です。
業種によっては、建設業法や医療法などの業法対応も含まれ、顧問弁護士の専門性が活かされます。
関連記事:労務コンプライアンスとは?違反事例とチェックポイントを解説
コンプライアンス体制の構築とガバナンス強化
企業の社会的責任が問われる現代において、コンプライアンス体制の整備は不可欠です。
顧問弁護士は、社内規程の策定や従業員向けの研修、内部通報制度の導入などを通じて、企業の法令遵守体制を構築します。
これにより、不祥事の予防や企業価値の向上につながり、ステークホルダーからの信頼を得ることができます。
また、取締役会や監査役との連携を通じて、ガバナンスの強化にも寄与します。
関連記事:コンプライアンスとガバナンスとは?意味の違いと企業が行うべき取り組みを解説
顧問弁護士の5つのメリット
企業活動において法務の重要性は年々高まっています。
契約書の整備、労務管理、トラブル対応など、法的な課題は多岐にわたります。
そんな中、顧問弁護士を導入することで、企業は安定した経営基盤を築きながら、攻めの戦略にも集中することが可能になります。
ここでは、顧問弁護士を持つことによる5つの主なメリットを紹介します。
安定的で攻めの経営に専念できる
顧問弁護士が日常的な法務をサポートしてくれることで、経営者は安心して事業拡大や新規プロジェクトに集中できます。
契約書のチェックや社内規程の整備など、法的な裏付けを持った体制が整うことで、リスクを恐れずに攻めの経営判断が可能になります。
法務の不安が解消されることで、意思決定のスピードと質も向上します。
関連記事:法改正対応のポイントは?具体的な流れや情報収集方法を解説
トラブル発生時の被害を最小限に抑えられる
万が一トラブルが発生した場合でも、顧問弁護士が即座に対応できる体制が整っていれば、初動の遅れによる被害拡大を防ぐことができます。
例えば、取引先との契約トラブルや従業員との労務問題など、迅速な対応が求められる場面で、顧問弁護士の存在は非常に心強いものです。
事前にリスクを把握しているからこそ、冷静かつ的確な対応が可能になります。
有利な交渉や解決が期待できる
契約交渉や紛争解決において、法的な知識と経験を持つ顧問弁護士の助言は大きな武器になります。
交渉の場で法的根拠をもとに主張できることで、企業にとって有利な条件を引き出すことが可能です。
また、相手方との関係性を維持しながら円満に解決するための戦略も立てやすくなります。
法務の専門家が常にそばにいることで、交渉力が格段に高まります。
関連記事:労務トラブルとは?発生時の対応手順や注意点、未然に防ぐ対策を解説
気軽に相談できる
スポットで弁護士に依頼する場合、費用や手続きの煩雑さから相談のハードルが高くなりがちです。
しかし、顧問契約を結んでいれば、日常的な疑問やちょっとした不安も気軽に相談できます。
例えば「この契約書の表現は問題ないか」「従業員の対応で気になる点がある」など、些細なことでもすぐに確認できる環境は、経営者にとって大きな安心材料です。
リーガルコストを軽減できる
顧問弁護士は月額固定費で複数の相談が可能なため、スポット依頼に比べてコストパフォーマンスが高い場合があります。
特に法務の相談が頻繁に発生する企業にとっては、顧問契約の方が総合的な費用を抑えられる傾向があります。
また、予防法務によってトラブルを未然に防ぐことで、訴訟や損害賠償などの高額な費用を回避できる点も見逃せません。
関連記事:中小企業が法務トラブルを防ぐには?法務部門の重要性と導入のポイントを解説
顧問弁護士の導入を検討すべきケース
顧問弁護士はすべての企業にとって必要というわけではありませんが、特定の状況にある企業にとっては非常に有効な存在です。
ここでは、顧問弁護士の導入を特に検討すべきケースを4つ紹介します。
日常的に法的相談が必要な企業
取引先との契約が頻繁に発生する企業や、複数の事業を展開している企業では、日常的に法的な判断を求められる場面が多くあります。
契約書の作成・レビュー、取引条件の確認、業法対応など、細かな法務対応が必要な場合、都度弁護士に依頼するよりも、顧問弁護士を雇うことでスムーズかつ効率的に対応できます。
継続的な関係により、企業の業務内容や背景を理解したうえでの的確なアドバイスが得られるのも大きな利点です。
関連記事:契約書管理の方法とポイントとは?不適切な管理が招くリスクについても解説
予防法務を重視し、リスクを未然に防ぎたい企業
トラブルが起きてから対応する「事後対応型」の法務では、時間もコストもかかります。
これに対して、顧問弁護士を活用すれば、契約書の段階からリスクを洗い出し、社内体制の整備や社員教育を通じて、トラブルの芽を摘む「予防法務」が実現できます。
法的リスクを未然に防ぐことで、企業の信頼性やブランド価値の向上にもつながります。
スタートアップや成長期の中小企業
新規事業の立ち上げや急成長中の企業では、法務体制が整っていないことが多く、思わぬトラブルに直面するリスクも高まります。
顧問弁護士を早期に導入することで、資金調達時の契約、業務提携、雇用契約の整備など、成長に伴う法的課題に柔軟に対応できます。
スピード感のある経営判断を支える法務の土台として、顧問弁護士は非常に有効です。
関連記事:スタートアップに絶対押さえてほしい「IPO/M&A」を妨げる反社のワナ
法務部門がない、またはリソースが不足している企業
中小企業やベンチャー企業では、法務部門が存在しない、あるいは担当者が他業務と兼任しているケースが多く見られます。
こうした企業にとって、顧問弁護士は“外部の法務部”として機能し、専門的な知見を提供してくれます。
必要なときにすぐ相談できる体制を整えることで、法務対応の質とスピードを大きく向上させることができます。
関連記事:海外進出に欠かせない国際法務とは?必要なスキルや企業の取り組み、最新トピックスを解説
顧問弁護士を選ぶ際に注意すべきポイント
顧問弁護士は企業の法務を長期的に支える重要なパートナーです。
しかし、すべての弁護士が顧問に適しているわけではありません。
信頼できる顧問弁護士を選ぶためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
ここでは、選定時に特に注意すべき項目を紹介します。
専門性の高さ
まず重視すべきは、弁護士の専門分野です。
企業の業種や抱える課題に応じて、必要とされる法的知識は異なります。
例えば、IT企業であれば知的財産や個人情報保護法に詳しい弁護士が望ましく、建設業であれば建設業法や契約トラブルに強い弁護士が適しています。
自社の業務に精通した専門性を持つかどうかを確認することが、的確な助言を得るための第一歩です。
関連記事:コンプライアンスと法務の違いは?業務内容や部門を分けるメリット・デメリットを解説
所属弁護士の人数、事務所の規模
事務所の規模も重要な判断材料です。
大規模な法律事務所であれば、複数の弁護士が在籍しており、幅広い分野に対応できる体制が整っています。
一方で、小規模事務所は柔軟な対応や親身な相談が期待できる場合もあります。
企業の規模や相談頻度に応じて、どのような体制が自社に合っているかを見極めましょう。
実績
過去の顧問契約の実績や、対応した企業の業種・規模なども確認しておきたいポイントです。
同業種の企業への支援経験が豊富であれば、業界特有のリスクや慣習にも精通している可能性が高く、安心して任せることができます。
ホームページや紹介資料、面談時のヒアリングを通じて、具体的な実績を把握しましょう。
関連記事:【法務担当者必見】2025年の主な法改正を一覧で解説
料金体系の明確さと契約内容
顧問契約は月額制が一般的ですが、対応範囲や追加費用の有無など、契約内容は事務所によって異なります。
料金体系が不明瞭だと、後々トラブルになる可能性もあるため、契約前にしっかり確認しておくことが重要です。
契約書の内容を丁寧に説明してくれるかどうかも、信頼性の判断材料になります。
相談時の対応や連携方法
顧問弁護士とは日常的にやり取りをするため、相談のしやすさや連携方法も重要です。
メールや電話、チャットなど、どのような手段で連絡が取れるか、レスポンスの早さや対応の丁寧さなども確認しておきましょう。
社内担当者との連携がスムーズに行えるかどうかも、実務面での満足度に直結します。
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まとめ
顧問弁護士は、企業の法務を支える心強いパートナーです。
契約書の整備からトラブル対応、コンプライアンス強化まで、幅広い領域で活躍します。
特に法務リソースが限られている企業や、成長期にある企業にとっては、顧問弁護士の導入が経営の安定と発展に直結します。
選定時には専門性や実績、料金体系などをしっかり確認し、自社に最適な弁護士を見つけましょう。
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