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IPOの成功率を高めるには?成功のポイントと反社チェックの重要性を徹底解説

IPO(新規株式公開)は、企業が資金調達やブランド力向上を図る上で極めて重要な成長戦略のひとつです。

しかし、上場までの道のりは決して平坦ではなく、厳格な審査基準や体制整備、タイミングの見極めなど、乗り越えるべき課題が数多く存在します。

この記事では、IPO成功に必要な戦略的ポイントと、審査通過に不可欠な反社会的勢力チェックの重要性について徹底解説。
上場を目指す企業が押さえるべき実務と体制整備の要点を明らかにします。

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目次[非表示]

  1. 1.そもそもIPOとは?
  2. 2.IPOの成功率はわずか0.1%?成功が難しい理由
    1. 2.1.日本における年間でIPOできる企業数
    2. 2.2.証券審査通過後の東証審査通過率は70~80%
    3. 2.3.N-3期とN-2期を繰り返す企業が多い背景
  3. 3.IPOの成功率を上げるポイント
    1. 3.1.適切なタイミングの選定
    2. 3.2.専門的アドバイザーの選定
    3. 3.3.透明性の確保
    4. 3.4.経営陣の強化
    5. 3.5.IR活動の整備
    6. 3.6.財務報告の強化
  4. 4.IPOに欠かせない反社チェックの重要性
    1. 4.1.反社チェックの方法
  5. 5.まとめ

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そもそもIPOとは?

そもそもIPOとは?IPOInitial Public Offering)とは、企業が株式を証券取引所に公開し、一般投資家から資金を調達する仕組みです。

これにより、企業は成長資金を得ると同時に、知名度や信用力の向上、人材確保、M&A戦略の強化など多くのメリットを享受できます。

一方で、上場には厳格な審査や内部統制の整備、情報開示体制の構築など、高度な準備が求められます。

IPOは単なる資金調達手段ではなく、企業の信頼性と持続的成長を社会に示す重要なステージなのです。

関連記事:IPO準備企業が整備すべき人事・労務とは 懸念点についても解説

IPOの成功率はわずか0.1%?成功が難しい理由

IPOの成功率はわずか0.1%?成功が難しい理由IPOは、大きな成長機会である一方、成功に至るまでのハードルは非常に高く、実際に上場を果たせる企業はごくわずかです。

ここでは、なぜIPOの成功率が低いのか、その背景を3つの観点から解説します。

日本における年間でIPOできる企業数

日本国内で年間にIPOを達成する企業数は、例年100130社程度にとどまります。
これは、国内に存在する数百万社の企業のうち、わずか0.1%未満という極めて狭き門です。

IPOを目指す企業は数千社にのぼるとされており、競争の激しさは想像以上です。
財務の健全性、ガバナンス体制、成長性、社会的信用など、複数の要素が高い水準で求められるため、準備不足や体制不備の企業は早期に脱落してしまいます。

関連記事:IPO準備企業が上場審査に向けて整えるべき労務管理体制とは

証券審査通過後の東証審査通過率は70~80%

IPO準備企業は、まず主幹事証券会社による引受審査を受け、その後、東京証券取引所による上場審査に進みます。

証券会社の審査を通過した企業であっても、東証の審査で落とされるケースは少なくありません。

東証審査の通過率はおおよそ7080%とされており、ここでも一定数の企業が足切りされます。

審査では、反社会的勢力との関係排除、内部統制の整備、情報開示体制の確立など、形式面だけでなく実質的な信頼性が問われます。

N-3期とN-2期を繰り返す企業が多い背景

IPO準備は通常「N-3期」から始まり、3期分の監査済み財務諸表が必要です。
しかし、実際にはN-2期やN-1期で準備が整わず、再びN-3期からやり直す企業も少なくありません。

これは、内部統制やガバナンス体制の整備が遅れたり、業績が想定通りに推移しなかったりすることが主な要因です。

また、経営陣の交代や組織再編など、上場審査に影響を与える事象が発生した場合も、スケジュールの見直しを余儀なくされます。

こうした背景から、IPO準備は長期戦となり、途中で断念する企業も多いのが実情です。

関連記事:IPO準備企業が上場までのフェーズごとにやるべきこと

IPOの成功率を上げるポイント

IPOの成功率を上げるポイントIPOは、企業にとって資金調達やブランド力向上、経営基盤の強化など多くのメリットをもたらす一方、成功に至るまでには高度な準備と戦略的判断が求められます。

限られた企業しか上場を果たせない現実を踏まえ、成功率を高めるためには、以下の6つの要素を的確に押さえることが重要です。

適切なタイミングの選定

IPOの成否は「いつ上場するか」に大きく左右されます。
業績が安定していることはもちろん、株式市場の動向、投資家の関心、競合他社の上場状況などを総合的に判断する必要があります。

たとえば、景気後退期や地政学的リスクが高まっている時期に上場を強行すると、株価が低迷し、企業価値が過小評価される可能性があります。

逆に、成長性が高く市場が好調なタイミングでの上場は、投資家の注目を集めやすく、資金調達の面でも有利です。

タイミングの見極めには、外部環境だけでなく、自社の事業戦略や財務状況の成熟度も加味する必要があります。

関連記事:上場には何年かかる?IPO準備企業が押さえておきたい上場への作業とスケジュール

専門的アドバイザーの選定

IPOは専門性の高いプロセスであり、証券会社、監査法人、IPOコンサルタント、弁護士など、複数の専門家の支援が不可欠です。

特に主幹事証券会社の選定は、審査通過率やIR戦略、投資家との関係構築に直結するため、慎重に行う必要があります。

アドバイザーの経験や実績、業界理解度、コミュニケーション力、そして企業の成長戦略との親和性を総合的に評価し、信頼できるパートナーを選ぶことが重要です。

IPO準備は長期にわたるため、アドバイザーとの関係性が円滑であることも成功の鍵となります。

透明性の確保

上場企業には高い透明性が求められます。
社内規程の整備、情報開示体制の構築、内部通報制度の導入など、企業のガバナンスを強化する取り組みが必要です。

特にコンプライアンス違反や情報隠蔽は、上場審査において致命的な評価を受ける可能性があります。
透明性の高い企業は、投資家からの信頼を得やすく、上場後の株価安定にもつながります。

また、社内の意思決定プロセスやリスク管理体制を明文化し、外部からの監査に耐えうる仕組みを整えることが、審査通過の重要な要素となります。

関連記事:IPO準備企業が上場を目指す上で知っておくべきインサイダー取引規制とは

経営陣の強化

IPO後は、株主や投資家への説明責任が増し、経営陣のリーダーシップと説明力が問われます。
社外取締役の登用や経営会議体制の強化など、経営陣の多様性とガバナンス力を高めることが求められます。

また、経営陣が企業のビジョンや成長戦略を明確に語れるかどうかも、投資家の評価に大きく影響します。
人材の質と組織力の両面で、経営体制の強化が不可欠です。

さらに、経営陣の継続性や後継者計画も、長期的な企業価値の安定に寄与する要素として重視されます。

IR活動の整備

IRInvestor Relations)活動は、企業価値を投資家に伝える重要な手段です。
上場前からIR担当者を育成し、説明資料やプレゼンテーションの質を高めることで、投資家との信頼関係を築くことができます。

定期的な説明会の開催、適時開示の徹底、投資家からのフィードバックの収集など、双方向のコミュニケーションを重視したIR体制が求められます。

特に、上場直後は株価の変動が激しくなるため、安定した情報発信と迅速な対応が企業の信頼性を左右します。
IR活動は単なる広報ではなく、企業の戦略と価値を伝える経営の一部として位置づけるべきです。

関連記事:IPO準備企業にはなぜ監査法人が必要?必要な理由と選び方について解説

財務報告の強化

IPO審査では、財務の健全性と報告の正確性が厳しくチェックされます。
税務会計から財務会計への移行、IFRS(国際会計基準)への対応、月次決算の早期化など、財務報告体制の整備が不可欠です。

監査法人との連携を強化し、監査対応力を高めることも重要です。
財務報告の精度とスピードは、上場後の信頼性にも直結するため、早期からの取り組みが求められます。

また、予算管理や資金繰りの見える化、財務分析力の向上など、経営判断に資する財務機能の強化もIPO成功に欠かせない要素です。

関連記事:スタートアップに求められるIPO準備で早く取り組むべき組織体制の整備とは

IPOに欠かせない反社チェックの重要性

IPOに欠かせない反社チェックの重要性IPO(新規株式公開)を目指す企業にとって、反社会的勢力との関係排除は絶対条件です。
上場審査では、企業の健全性や社会的信頼性が厳しく問われるため、反社チェックの不備は致命的なリスクとなります。

仮に反社会的勢力との関与が発覚した場合、審査の中断や上場の取り消し、さらには企業イメージの毀損や取引先の離脱など、甚大な影響を及ぼします。

特に近年では、金融庁や証券取引所が反社排除に対する姿勢を強化しており、形式的な対応では不十分とされています。

企業が反社チェックを怠ることは、コンプライアンス違反のみならず、株主や投資家に対する背信行為とみなされかねません。

上場を目指す企業は、反社チェックを単なる審査項目ではなく、企業倫理とリスク管理の根幹として捉える必要があります。

反社チェックは、役員や従業員だけでなく、主要株主、取引先、外部委託先など、企業活動に関わるすべてのステークホルダーを対象に実施する必要があります。

特に、株主構成や役員の経歴に不透明な点がある場合、審査機関から詳細な説明や追加資料の提出を求められることもあります。

こうした事態を避けるためにも、事前の徹底した調査と継続的なモニタリング体制の構築が不可欠です。

関連記事:IPO準備にはなぜ反社チェック(コンプライアンスチェック)が必要なのか?上場基準の反社会的勢力排除の体制づくりについて解説

反社チェックの方法

反社チェックの実施方法は多岐にわたりますが、以下のような手法を組み合わせることで、網羅的かつ実効性の高い体制を整えることが可能です。

  • 反社チェックツールの活用  ツールを利用して反社データベースや新聞記事データなどと照合することで、対象者が過去に反社会的勢力と関係を持っていたかどうかを効率的に確認できます。複数のデータベースを活用することで、情報の網羅性と信頼性を高めることができます。
  • 契約書への暴排条項の明記  取引先との契約において、反社会的勢力との関係が判明した場合に契約を解除できる旨を明記することで、法的リスクを軽減できます。これは、上場審査でも重要な確認ポイントとなります。
  • 社内規程と通報制度の整備  反社排除に関する社内規程を整備し、従業員が疑わしい事案を匿名で通報できる制度を導入することで、内部からのリスク検知力を高めることができます。企業文化として反社排除の意識を根付かせることが重要です。
  • 外部専門機関との連携  疑義が生じた場合には、専門調査機関や弁護士と連携し、迅速かつ適切な対応を行う体制を構築しておくことが望まれます。特に海外取引や複雑な株主構成を持つ企業では、外部の専門知見が不可欠です。

反社チェックは一度きりの対応ではなく、継続的な運用が求められます。
IPO準備段階だけでなく、上場後も定期的な確認と体制の見直しを行うことで、企業の信頼性と持続的成長を支える基盤となります。

反社排除は、企業の社会的責任を果たすうえで欠かせない取り組みなのです。

関連記事:反社チェックはどこまで行うべきか 実施対象・方法を解説

まとめ

IPOは企業にとって大きな飛躍のチャンスである一方、成功には高度な準備と信頼性の確保が求められます。

特に、適切なタイミングの見極め、専門家の活用、透明性の確保、反社チェックの徹底は、成功率を高めるための重要な要素です。

上場はゴールではなくスタートです。
持続的な成長と社会的信頼を得るためにも、今からできる準備を着実に進めていきましょう。

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RISK EYES編集部
RISK EYES編集部
反社チェックツール「RISK EYES」のブログ編集部です。反社関連の情報だけでなく、与信やコンプライアンス全般、IPO準備などについても執筆しています。
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