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障害者雇用促進法改正で企業に求められる対応とは?実務対応とリスクを解説

障害者雇用促進法の改正は、企業の採用・配置・職場環境づくりに影響する重要な制度変更です。

2024年から2026年にかけて法定雇用率が段階的に引き上げられ、合理的配慮や職場定着支援の実務対応もより重要になっています。

総務・人事・法務部門には、採用計画の見直しだけでなく、雇用管理や社内体制の整備も求められます。

この記事では、改正内容の要点と企業が直面しやすいリスク、実務上の対応策を解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.障害者雇用促進法改正とは?最新動向と企業が押さえるべきポイント
    1. 1.1.障害者雇用促進法の目的と基本的な仕組み
    2. 1.2.2024年から2026年にかけての制度変更の背景
    3. 1.3.改正で特に注目されるポイント
      1. 1.3.1.合理的配慮と企業に求められる対応
  2. 2.障害者雇用率引き上げへの対応ポイント
    1. 2.1.障害者雇用率の引き上げスケジュール
    2. 2.2.法定雇用率の計算方法
    3. 2.3.対象となる企業の範囲
    4. 2.4.法定雇用率を達成できない場合の影響
    5. 2.5.障害者雇用納付金制度の概要
  3. 3.障害者雇用促進法改正で企業に求められる対応
    1. 3.1.採用プロセスの見直し:募集・選考・配置のポイント
    2. 3.2.職場環境整備と合理的配慮の実務
    3. 3.3.人事担当者・管理職への教育
      1. 3.3.1.雇用管理の記録と報告体制の整備
  4. 4.障害者雇用促進法改正における実務課題と解決策
    1. 4.1.採用後のミスマッチを防ぐためのコミュニケーション設計
    2. 4.2.定着率向上のためのサポート体制づくり
    3. 4.3.外部支援機関の活用方法
  5. 5.障害者雇用におけるコンプライアンスとリスク管理
    1. 5.1.合理的配慮不足による法的リスク
    2. 5.2.ハラスメント・差別的取扱いのリスク
    3. 5.3.個人情報管理とプライバシー保護
    4. 5.4.行政指導・企業名公表のリスク
  6. 6.まとめ

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障害者雇用促進法改正とは?最新動向と企業が押さえるべきポイント

障害者雇用促進法改正とは?最新動向と企業が押さえるべきポイント障害者雇用促進法の改正は、企業に対し、障害のある人の雇用機会を確保し、働き続けられる環境を整えることを求めるものです。

2024年から2026年にかけて法定雇用率が段階的に引き上げられ、企業の採用・配置・職場環境整備の実務に直接影響します。

特に、法定雇用率の引き上げ、合理的配慮への対応、支援制度や助成金の活用は、総務・人事・法務部門が早期に把握しておきたい重要なポイントです。

障害者雇用促進法の目的と基本的な仕組み

業には、一定割合以上の障害者を雇用する義務が課されており、達成できない場合は障害者雇用納付金制度の対象となる場合があります。

また、採用段階から職場定着まで一貫した支援を行うため、合理的配慮の提供や差別的取扱いの禁止も定められています。

企業にとっては、単に雇用人数を満たすだけでなく、働き続けられる職場環境を整えることが重要です。

関連記事:雇用に関連する法律と主なルール 違反した場合のリスクと罰則も解説

2024年から2026年にかけての制度変更の背景

近年、障害のある人の就労希望は広がっており、企業には多様な人材が活躍できる環境づくりが求められています。

一方で、企業側の受け入れ体制や職場定着支援が十分でないケースもあり、採用後のミスマッチや離職が課題となることがあります。

特に精神障害者の雇用が増えていることから、企業には柔軟な働き方の提供や、体調変化に対応できる支援体制の整備が求められます。

法定雇用率の引き上げは、こうした背景を踏まえ、企業の障害者雇用をより実効性のあるものにするための制度変更といえます。

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改正で特に注目されるポイント

今回の制度変更で企業が押さえるべきポイントは、主に以下の3つです。

  • 法定雇用率の段階的引き上げ:必要な障害者雇用数が増えるため、採用計画や配置計画の見直しが必要です。
  • 合理的配慮への対応:企業には、障害のある社員が能力を発揮できるよう、過重な負担とならない範囲で必要な配慮を提供することが求められます。制度の内容を正しく理解し、自社の対応方針を整理しておくことが重要です。
  • 支援制度・助成金の活用:職場環境整備や定着支援に活用できる制度を確認し、実務負担を軽減することが有効です。

これらは単なる制度対応ではなく、企業の人材戦略やコンプライアンス体制にも関わる要素です。

合理的配慮と企業に求められる対応

合理的配慮を実践する際は、障害のある社員一人ひとりの状況や業務内容に応じて対応を検討することが重要です。

また、企業が一方的に配慮内容を決めるのではなく、本人との対話を通じて必要な支援を確認し、定期的に見直すことも重要です。

検討経緯や対応内容を記録しておくことで、社内共有や継続的な運用、トラブル防止にも役立ちます。

関連記事:雇用契約解除が認められる正当な理由とは?不当解除のリスクと注意点を徹底解説

障害者雇用率引き上げへの対応ポイント

障害者雇用率引き上げへの対応ポイント障害者雇用率の引き上げは、企業の採用計画や人員配置に直接影響します。

特に中堅・中小企業では、既存の業務設計や職場環境を見直す必要が生じるため、早期の情報整理と計画的な対応が重要です。

以下では、実務に直結するポイントを整理します。

障害者雇用率の引き上げスケジュール

民間企業の法定雇用率は、20244月に2.5%へ引き上げられ、20267月以降は2.7%となります。

これに伴い、障害者雇用義務の対象となる企業規模も拡大しています。

20244月から20266月までは、常用労働者40.0人以上の事業主が、障害者を1人以上雇用する義務の対象でした。

20267月以降は法定雇用率が2.7%へ引き上げられたことに伴い、対象範囲が常用労働者37.5人以上の事業主に拡大しています。

これまで障害者雇用義務の対象外だった企業でも、新たに対応が必要となる場合があるため、自社の常用労働者数と必要雇用人数を確認することが重要です。

関連記事:企業の義務である障害者雇用 2024年改正「障害者雇用促進法」について詳しく解説

法定雇用率の計算方法

法定雇用率を確認する際は、自社の常用労働者数をもとに、必要な障害者雇用数を算出します。
基本的な考え方は以下のとおりです。

必要な障害者雇用人数=常用労働者数×法定雇用率

たとえば、20267月以降の民間企業の法定雇用率は2.7%です。

常用労働者数が100人の場合、100×2.7%=2.7人となるため、実務上は必要雇用数を確認し、不足がないかを管理する必要があります。

なお、常用労働者には正社員だけでなく、一定の条件を満たす契約社員やパートタイマーも含まれます。

また、短時間労働者は算定方法が異なる場合があるため、総務・人事部門は対象人数を正確に把握し、定期的に確認することが重要です。

対象となる企業の範囲

20267月以降、民間企業では常用労働者37.5人以上の事業主が障害者雇用義務の対象となります。

対象となる企業は、従業員数の増減によって変わる可能性があるため、毎年の雇用状況だけでなく、月次での人員推移も確認しておくと安心です。

グループ会社を持つ企業では、単体での対応だけでなく、特例子会社制度やグループ適用制度の活用を検討するケースもあります。

自社の組織構造や採用方針に応じて、どのような体制で障害者雇用を進めるかを整理することが重要です。

関連記事:雇用保険の加入条件とは?加入するメリット・デメリットや企業への罰則も解説

法定雇用率を達成できない場合の影響

法定雇用率を達成できない場合、企業は以下のような影響を受ける可能性があります。

  • 障害者雇用納付金の支払い
  • 行政指導や改善計画作成の対象
  • 状況によっては企業名が公表される可能性
  • 採用ブランドや取引先からの評価への影響

特に企業名の公表は、採用活動や取引先からの信頼に影響する可能性があるため、コンプライアンス上の重要課題として捉える必要があります。

障害者雇用納付金制度の概要

障害者雇用納付金制度は、法定雇用率を達成していない企業が、不足人数に応じて納付金を支払う仕組みです。

原則として、常用労働者100人超の事業主が対象となり、不足1人につき月額5万円の納付金が課されます。

一方で、法定雇用率を上回って障害者を雇用している企業には、調整金や報奨金が支給される制度もあります。

納付金を避けるためだけでなく、安定した雇用体制を整える観点からも、早期に採用計画と職場環境整備を進めることが重要です。

関連記事:トライアル雇用とは?雇用の流れやメリット・デメリットを解説

障害者雇用促進法改正で企業に求められる対応

障害者雇用促進法改正で企業に求められる対応法定雇用率の引き上げにより、企業は採用から定着支援まで一連のプロセスを体系的に整備する必要があります。

特に合理的配慮の提供や雇用管理の記録は、総務・人事・法務部門が連携して取り組むべき領域です。

以下では、実務で重要となるポイントを整理します。

採用プロセスの見直し:募集・選考・配置のポイント

採用段階では、募集要項に業務内容や必要なスキル、働き方の条件を明確に記載し、応募者との認識のずれを防ぐことが重要です。

選考では、業務遂行上の課題や必要な支援について、本人の意向を尊重しながら丁寧に確認する必要があります。

配置においては、業務量やコミュニケーション方法を個々の特性に合わせて調整し、無理のないスタートを設計することが定着率の向上につながります。

採用人数だけでなく、採用後に活躍できる環境を整える視点が欠かせません。

関連記事:採用プロセスとは?設計するメリットや一般的な流れ、ポイントをわかりやすく解説

職場環境整備と合理的配慮の実務

合理的配慮を適切に運用するには、一度決めて終わりではなく、業務内容や体調の変化に応じて定期的に見直す仕組みを整えることが重要です。

人事担当者・管理職への教育

障害者雇用の成否は、現場の理解度に大きく左右されます。
人事担当者には、障害特性の基礎知識や合理的配慮の考え方を学ぶ研修が必要です。

管理職には、適切なコミュニケーション方法やハラスメント防止の視点を含めた教育が求められます。

特に精神障害のある方雇用が増えているため、体調変化への対応や相談体制の整備は重要です。

現場任せにせず、人事・管理職・産業保健スタッフなどが連携できる体制を整えることが望まれます。

関連記事:IPO準備企業が整備すべき人事・労務とは 懸念点についても解説

雇用管理の記録と報告体制の整備

合理的配慮の内容や面談記録、業務調整の経緯は、トラブル防止や説明責任の観点から記録しておくことが重要です。

記録が残っていないと、後から対応経緯を説明できず、企業側の対応が不十分だったと受け止められる可能性があります。

また、障害者雇用状況報告書の提出に向けて、従業員数や雇用状況を正確に把握できる社内フローを整備することも必要です。

総務・人事部門が中心となり、採用、配置、定着支援、報告までを一元的に管理できる体制を整えるとよいでしょう。

関連記事:直接雇用のメリットとは?間接雇用との比較や3年ルール、企業の義務についても解説

障害者雇用促進法改正における実務課題と解決策

障害者雇用促進法改正における実務課題と解決策法定雇用率の引き上げに対応するには、採用人数を増やすだけでなく、採用後のコミュニケーション設計や定着支援の仕組みを整える必要があります。

合理的配慮の内容を本人とすり合わせながら運用するプロセスは、現場の負担を減らしつつミスマッチを防ぐうえで重要です。

以下では、実務で直面しやすい課題と解決策を整理します。

採用後のミスマッチを防ぐためのコミュニケーション設計

採用後のミスマッチは、業務内容の理解不足や配慮内容の認識違いから生じることが多くあります。

入社直後に「業務内容」「配慮の範囲」「困りごとの相談方法」を共有する面談を設定することが効果的です。

また、定期的な1on1を実施し、業務量や体調の変化を早期に把握することで、トラブルを未然に防ぎやすくなります。

面談内容を記録しておくことで、配慮内容の見直しや社内共有にも役立ちます。

関連記事:採用のミスマッチを防ぐリファレンスチェックとは?メリット・デメリットについて解説

定着率向上のためのサポート体制づくり

定着支援では、現場と人事が連携したサポート体制が重要です。

具体的には、相談窓口の明確化、業務調整の判断基準の共有、体調変化時の対応フローなどを事前に整備しておくことが求められます。

精神障害者の場合は、急な体調変化に備えた短時間勤務の調整や、業務の優先順位付けなど、柔軟な運用が有効です。

本人だけでなく、上司や同僚がどのように関わるべきかを整理しておくことで、現場の不安も軽減しやすくなります。

外部支援機関の活用方法

外部支援機関は、企業の負担を軽減しつつ、専門的な支援を提供してくれる重要なパートナーです。

就労移行支援事業所は、採用前の職場実習や応募者の特性把握に役立つ場合があります。

ジョブコーチは、入社後の職場適応を支援し、業務手順の整理やコミュニケーション改善をサポートします。

企業だけでの対応が難しいケースでも、外部支援を組み合わせることで、安定した雇用継続につながります。

必要に応じて、ハローワーク、地域障害者職業センター、就労支援機関などと連携することも有効です。

関連記事:高齢者雇用の助成金一覧!60歳・65歳以上で活用できる制度と申請時の注意点を解説

障害者雇用におけるコンプライアンスとリスク管理

障害者雇用におけるコンプライアンスとリスク管理障害者雇用促進法への対応では、採用・配置だけでなく、日常の雇用管理におけるコンプライアンス対応も重要です。

合理的配慮の不足、ハラスメント、個人情報管理の不備などは、企業の信用低下や労務トラブルにつながる可能性があります。

以下では、実務で特に注意すべきポイントを整理します。

合理的配慮不足による法的リスク

合理的配慮が適切に行われない場合、差別的取扱いとして受け止められ、行政指導や紛争につながる可能性があります。

企業は、配慮内容だけでなく本人との協議や検討経緯を記録しておくことで、説明責任を果たしやすくなります。

関連記事:外国人雇用の8つの注意点とは?メリットや必要な手続きも解説

ハラスメント・差別的取扱いのリスク

障害者に対する不適切な言動や、業務上の不利益な扱いは、ハラスメントや差別的取扱いに該当する可能性があります。

たとえば、障害特性への無理解から過度な叱責を行う、合理的配慮を「特別扱い」と捉えて排除する、必要な支援を拒むといった対応は問題となります。

管理職や現場社員への教育を行い、相談窓口を明確にすることで、トラブルを防ぎやすくなります。

現場で判断に迷う場合に、人事や法務へ相談できる仕組みを整えることも重要です。

個人情報管理とプライバシー保護

障害に関する情報は、特に慎重な取扱いが求められるセンシティブな情報です。
診断名や配慮内容を必要以上に共有することは避け、業務上必要な範囲に限定して管理することが重要です。

情報管理のルールを社内で統一し、アクセス権限を明確化することで、漏えいや不適切利用のリスクを減らせます。

また、本人の同意なく情報を広く共有しないよう、管理職や関係者への教育も必要です。

関連記事:【2026年最新版】雇用調整助成金とは?支給要件・計算方法・申請の流れを徹底解説

行政指導・企業名公表のリスク

法定雇用率の未達成や合理的配慮の不足が続く場合、行政指導や改善指導の対象となる可能性があります。

状況によっては企業名が公表され、採用ブランドや取引先からの信頼に影響を及ぼすこともあります。

企業は、雇用状況を定期的に確認し、不足がある場合は採用計画や職場環境整備の見直しを行うことが重要です。

単年度の対応で終わらせず、継続的に改善できる体制を整えることが、リスク低減につながります。

関連記事:雇用リスクとは?リスクの種類や低減する方法をわかりやすく解説

まとめ

障害者雇用促進法への対応は、法定雇用率を満たすだけでなく、採用計画の見直し、職場環境整備、合理的配慮、記録管理、コンプライアンス対応まで含めた総合的な取り組みです。

20267月以降、民間企業の法定雇用率は2.7%となり、対象企業も常用労働者37.5人以上に広がっています。

企業が安定した障害者雇用を実現するには、自社の必要雇用数を正確に把握し、採用から定着までの流れを整備することが重要です。

また、合理的配慮については本人と対話し、対応内容や検討経緯を記録しておくことで、トラブル防止にもつながります。

自社だけで対応が難しい場合は、外部支援機関や専門家、助成金制度の活用も検討するとよいでしょう。

関連記事:雇用契約書は必要か?交付方法や内容、作成時のポイントについても解説
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RISK EYES編集部
RISK EYES編集部
反社チェックツール「RISK EYES」のブログ編集部です。反社関連の情報だけでなく、与信やコンプライアンス全般、IPO準備などについても執筆しています。
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本資料でわかること
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